プール熱(咽頭結膜熱) :トップ    
監修: 五十嵐隆 国立成育医療研究センター
安戸裕貴 山口大学大学院医学系研究科医学専攻小児科学講座

概要

疾患のポイント:
  1. プール熱とは、発熱、咽頭炎、結膜充血を三主徴とする小児の急性ウイルス性感染症であり、数種類の血清型のアデノウイルスによる感染で発症する。咽頭結膜熱と言われるが、プールでの流行が認められることが多かったためこの名称が使われている。
  1. プール熱の原因としては、アデノウイルス3型によるものが主とされるが、それ以外にも2、4、7、11型などにも認められる。
  1. 感染経路:アデノウイルスの一般的な感染経路は、飛沫感染や手指や糞口を介した接触感染によるヒト-ヒト感染である。プールを介する場合には、汚染した水から結膜への直接侵入による。
  1. 潜伏期は5~7日であり、上記三主徴に加えて、頭痛、嘔吐、腹痛、食欲不振、倦怠感などを伴うこともある。3~7日間ほど持続し改善する。
  1. プール熱は感染症法の5類感染症に分類され、小児科定点医療機関では、週単位(月~日)で最寄の保健所に届け出る必要がある。また、学校保健安全法で第二種感染症に指定されており、「主要症状が消退した後二日を経過するまで」を出席停止の期間の基準としている。
 
診断: >詳細情報 
  1. プール熱は、発熱、咽頭炎、結膜充血などの臨床症状により診断する。
  1. 上記症状に加えて、地域における流行状況が認められればプール熱の可能性が高い。
  1. 扁桃炎•肺炎などの合併症が生じることがある。まれに急性脳炎•脳症などの中枢神経合併症を伴うこともあるので注意を要する。
  1. 年間を通じてウイルスは分離される。通常は夏に流行することが多いが、小規模流行は通年性に認められる。
  1. 原因ウイルスの診断には、血清診断、ウイルス分離、ウイルス遺伝子検査がある。
 
鑑別診断: >詳細情報 
  1. 咽頭炎:A群溶連菌感染症、そのほかのウイルス感染症(ヘルパンギーナ、手足口病、EBウイルス、サイトメガロウイルス、インフルエンザウイルス)など
  1. 結膜炎:細菌性結膜炎、流行性角結膜炎、急性出血性結膜炎、ヘルペス性結膜炎、アレルギー性結膜炎(春季カタル)
  1. 川崎病との鑑別
 
合併症: >詳細情報 
  1. 扁桃炎
  1. 肺炎
  1. 脳炎•脳症

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初期治療例
  1. 特異的治療法はなく、発熱や疼痛、経口摂取不良、各種合併症などに対する支持療法を行う。
  1. 発熱、疼痛に対しては、必要に応じて解熱鎮痛薬を使用する。
  1. 咽頭痛などによる咀嚼障害がある場合は、プリンやゼリーなどやわらかい食事やジュースなどの経口補食がよい。
  1. 経口摂取不良に対しては、脱水の程度に応じて経口補液療法や輸液療法を行う。
○ 成人は1)を、小児は状態に応じて2)~4)から選んで使用する。脱水には5)6)を投与する。

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薬剤監修について:
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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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プール熱(咽頭結膜熱)のアルゴリズム
プール熱の結膜充血所見
アデノウイルスによる主な疾患と検出される型
IDWR 過去10年との比較グラフ(週報)-咽頭結膜熱
著者校正/監修レビュー済
2017/07/31