今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 春間 賢 川崎医科大学 総合医療センター総合内科学2 消化器内科

監修: 上村直実 国立国際医療研究センター 国府台病院

著者校正/監修レビュー済:2023/08/16
参考ガイドライン:
  1. A型胃炎の診断基準確立に関する研究会(日本消化器内視鏡学会関連研究会):自己免疫性胃炎の診断基準に関する附置研究会からの新提案(2023)
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 自己免疫性胃炎の診断基準に関する関連研究会からの新提案(2023)より、自己免疫性胃炎の診断基準が明確となったため、診断の項目に、その基準について記載した。
  1. 自己免疫性胃炎の診断基準の図表を追加した。新提案では、確診例、疑診例、更に、進行度を早期、進行最盛期、進行終末期に分けている(鎌田智有、他.:Gastroenterol Endosc、2023;65(2):173-178)。

概要・推奨   

  1. 自己免疫性胃炎(autoimmune gastritis:AIG)とは、血中自己胃抗体(抗胃壁細胞抗体(Anti-parietal cell antibodies: APCA)あるいは抗内因子抗体(Anti-intrinsic factor antibodies: IFA))陽性を呈する 胃体部を中心とした萎縮性胃炎で、壁細胞に存在するプロトンポンプ:H+K+ATPaseに対する自己抗体を産生するために胃壁細胞が破壊され無酸症となり、胃酸分泌の低下によるnegative feedback mechanismにより高ガストリン血症を呈する。
  1. 一般に、幽門部の萎縮はないか軽度で、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ)感染により起こる前庭部から胃体部に進展する萎縮性胃炎とは、萎縮の程度や分布が異なる。血中に高率にAPCAやIFAなどの自己胃抗体を認め、ビタミンB12や鉄の欠乏を来すと貧血を発症するが、無酸症のため鉄欠乏性貧血で発症することも多い。
  1. 北欧、特にスカンジナビア地方に多い疾患で、本邦 では頻度は低いとされてきたが、内視鏡検査受診者の0.89%(女性では1.12%)に認められている。ペプシノゲンとピロリ抗体を用いたABCリスク評価では、D群の25%がAIGであったと報告されている。
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オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
春間 賢 : 講演料(武田薬品工業(株),大塚製薬(株))[2024年]
監修:上村直実 : 講演料(武田薬品工業(株),大塚製薬(株))[2024年]

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