自己免疫性胃炎 :トップ    
監修: 上村直実 国立国際医療研究センター 国府台病院
春間 賢1) 上村直実2) 1)川崎医科大学 総合医療センター総合内... 2)国立国際医療研究センター 国府台病院...

概要

疾患のポイント:
  1. 自己免疫性胃炎とは、血中抗壁細胞抗体陽性を呈する胃体部を中心とした萎縮性胃炎である、壁細胞に存在するプロトンポンプ、H+K+ATPase、に対する自己抗体を産生するために壁細胞が破壊され無酸症となり、胃酸分泌の低下によるnegative feedback mechanismにより高ガストリン血症を呈する。
  1. 特有の症状はなく、ビタミンB12欠乏による貧血による症状あるいは四肢末端のしびれや知覚異常など末梢神経症状を呈することがある。
  1. StricklandとMackayは、血中抗壁細胞抗体陽性の胃炎をA型胃炎、陰性の胃炎をB型胃炎とし、その形態と機能の違いを明らかにし、その後、自己免疫性胃炎はA型胃炎とも呼ばれている。
  1. 血中に高率に抗壁細胞抗体や抗内因子抗体などの自己抗体を認め、ビタミンB12や鉄の欠乏を来すと貧血を発症する。内因子の分泌低下によりビタミンB12が欠乏し、大球性貧血を発症したものを悪性貧血と呼ぶ。
 
診断: >詳細情報 
  1. 血中抗壁細胞抗体陽性を呈する胃体部を中心とした萎縮性胃炎であり、内視鏡所見により診断となる。
  1. 一般に、幽門部の萎縮はないか軽度で、ヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)感染により起こる前庭部から胃体部に進展する萎縮性胃炎とは、萎縮の程度や分布が異なる。
  1. 現在、胃酸分泌検査は、刺激薬であるガストリンの入手が困難なため、行うことが困難となっている。内視鏡検査による萎縮の程度の評価と胃生検による病理組織学的診断また血清ペプシノゲン(PG)の測定が胃体部萎縮と胃炎の評価に役立つ。
 
治療: >詳細情報 
  1. 胃体部の萎縮性胃炎であり、無酸症を来しているので胃癌、特に分化型胃癌や胃腺腫、胃過形成性ポリープ、また、高ガストリン血症による胃カルチノイドの合併に注意し、1年ごとに上部消化管内視鏡検査を行う。
  1. 慢性甲状腺炎やシェーグレン症候群、1型糖尿病の合併に注意する。
 
臨床のポイント:
  1. 壁細胞の破壊に伴って無酸症および高ガストリン血症を特徴とする。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

胃体部萎縮と胃炎の評価例
○ 診断のために血液検査として上部消化管内視鏡検査を、A型胃炎の確定診断のために胃生検を行う。

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自己免疫性胃炎の診断
著者校正/監修レビュー済
2016/05/13