今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 大草敏史 東京慈恵会医科大学附属柏病院 消化器・肝臓内科、順天堂大学大学院腸内フローラ研究講座

監修: 上村直実 国立健康危機管理研究機構 国府台医療センター

著者校正/監修レビュー済:2022/09/14
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、以下の点について追加した。
  1. 胃底腺ポリープがピロリ菌除菌後や家族性大腸腺腫症に伴って発生すること、また、胃過形成性ポリープがピロリ菌感染以外の自己免疫性胃炎することなどで発生することを追記した。

概要・推奨   

  1. 胃ポリープとは、胃にできた隆起性病変のことであり、過形成ポリープや腺腫などさまざまな組織型を含むが、一般的には胃底腺ポリープと胃過形成性ポリープに大別される。
  1. 胃過形成性ポリープはH. pylori除菌療法で縮小、消失する(推奨度2)
  1. プロトンポンプ阻害薬(PPI)の服用増加に伴って胃底腺ポリープが増加している。
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  1. H.pylori除菌後に胃底腺ポリープが発生することがある。

病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 胃ポリープとは、胃にできた隆起性病変のことであり、過形成ポリープや腺腫などのさまざまな組織型を含む。
  1. 胃ポリープの罹患頻度は0.5~4%程度とまれである[1][2]
  1. 広義の胃ポリープは胃腺腫も含めるが、一般的には胃腺腫を除いた分類となる。
  1. 胃ポリープは胃底腺ポリープ(fundic gland polyp)と胃過形成性ポリープ(hyperplastic polyp)に大別される。
  1. 胃底腺ポリープがピロリ菌感染の減少とプロトンポンプ阻害薬の服用にともなって増加しており、胃過形成性ポリープより胃底腺ポリープの方が多い[1][2]
  1. 日常診療では少なからず遭遇する疾患である。
  1. 健診の上部消化管造影検査で発見されることが多い。
  1. 一般に無症状である。
  1. 胃もたれや不快感、食欲不振などの症状がみられることがあるが、併有する慢性萎縮性胃炎または機能的な異常によるものが多い。
  1. 増大し巨大化すると出血を繰り返して、鉄欠乏性貧血を起こすこともある。
  1. ピロリ菌除菌後に胃底腺ポリープが発生することがある[3]
問診・診察のポイント  
  1. 問診や身体所見では診断できない。

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
大草敏史 : 報酬額(森永乳業(株)),研究費・助成金など(森永乳業(株))[2024年]
監修:上村直実 : 講演料(武田薬品工業(株),大塚製薬(株))[2024年]

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胃ポリープ

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