クローン病

著者: 長堀正和 東京医科歯科大学 消化器内科

著者: 渡辺守 東京医科歯科大学 消化器内科

監修: 上村直実 国立国際医療研究センター 国府台病院

著者校正/監修レビュー済:2020/03/19
参考ガイドライン:
日本消化器病学会:炎症性腸疾患(IBD)診療ガイドライン 2016

概要・推奨  

  1. 喫煙者には禁煙が強く勧められる(推奨度1)。
  1. クローン病患者の死亡率は健常人とほぼ同等か、やや高い傾向にある。
  1. 長期経過例では、大腸癌のサーベイランスのため、定期的な内視鏡検査が勧められる(推奨度2)。
  1. 妊娠中の治療においては、薬物治療の如何より、病気のコントロールが母子の予後にとって重要である(推奨度2)。
  1. クローン病の家族歴を持つことは、明らかに発病のリスクとなるが、絶対リスクは低率である。
  1. 内科治療で寛解導入に成功しない症例では、QOLの改善を期待して、外科治療が勧められる(推奨度2)。
  1. 寛解導入療法としての経腸栄養療法において、成分栄養剤と半消化態栄養剤に差を認めない(推奨度2)。
  1. レミケード有効例に対しては計画的維持投与が勧められる(推奨度2)。
  1. ステロイド剤に寛解維持効果はなく、長期投与は勧められない(推奨度3)。
  1. 痔瘻を有する患者のうち、寛解導入治療が有効であった患者では、レミケードの計画的維持投与が勧められる(推奨度2)。
  1. レミケード不応または不耐のクローン病患者ではヒュミラの投与が勧められる(推奨度2)。
  1. ステロイドを3カ月以上投与または投与予定の患者では骨密度測定を含む骨折危険因子の評価を行うことが勧められる(推奨度2)。
  1. 免疫抑制薬の使用により、HBVキャリアや既往感染例からHBV再活性による重症肝炎が発症することが報告され、de novo B型肝炎と呼ばれている。劇症化しやすく死亡率も高いため、定期的なHBVのモニタリングが必要である(推奨度2)。
  1. 「40歳未満の診断」「肛門病変あり」「初回のステロイド治療」は診断後5年における予後不良因子であり、積極的な内科治療を検討すべきである。
  1. 中等度以上の重症度の寛解導入治療において、インフリキシマブを開始する際、投与歴のない患者では、アザチオプリンの併用を検討すべきである(推奨度3)。
  1. ウステキヌマブはTNFα阻害薬投与歴の有無にかかわらず、中等症または重症のクローン病患者の寛解導入および維持治療として考慮する(推奨度2)。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、主に新規薬剤(エンタイビオ)と新規検査(NUDT15遺伝子検査)に関して加筆を行った。また、「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」班の最新の治療指針に合わせて改訂を行った。


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