今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 園田康平 九州大学大学院医学研究院眼科学分野

監修: 沖波聡 倉敷中央病院眼科

著者校正/監修レビュー済:2020/04/09
参考ガイドライン:
  1. 日本眼炎症学会ぶどう膜炎診療ガイドライン作成委員会:ぶどう膜炎診療ガイドライン,日眼会誌123巻6号,635-696,2019
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行った。

概要・推奨   

  1. 眼発作が頻発する場合、その頻度抑制のためにコルヒチンおよびシクロスポリンを単独または併用して投与する。両剤を併用しても後眼部発作を頻発する症例や、両剤が副作用で使用できない症例に対して、インフリキシマブの点滴静注を考慮する(推奨度2)
  1. 前眼部の炎症に対してはステロイド薬の点眼治療を行う。同時に、虹彩後癒着を起こさないよう十分に瞳孔管理を行う必要がある(推奨度2)

病態・疫学・診察 

疾患情報  
  1. ベーチェット病は、皮膚粘膜病変を特徴とする、原因不明の自己免疫性疾患である。
  1. ベーチェット病は、指定難病であり、重症度基準Ⅱ度以上の場合などでは、申請し認定されると保険料の自己負担分の一部が公費負担として助成される。([平成27年1月施行])
  1.  難病法に基づく医療費助成制度 
  1. ベーチェット病の診断は、わが国では特定疾患診断基準に準拠して行う。 >詳細情報 
  1. ①口腔内難治性アフタ潰瘍、②結節性紅斑などの皮膚症状、③虹彩毛様体炎・網脈絡膜炎(ぶどう膜炎)、④外陰部潰瘍――を主症状とする、慢性再発性の全身性炎症性疾患である。
  1. 日本では現在、約1万8,000人の報告がある。発病年齢は、男女とも20~40歳に多く、30歳代前半にピークを示す。
  1. ベーチェット病のさまざまな症状のなかでも、特に眼症状は重篤で失明に至る場合も多く、本症患者のQOLを著しく低下させている。
問診・診察のポイント  
  1. 主症状・副症状は多岐にわたるため、特定科の所見にこだわることなく、時間をかけて全身症状をきめ細かに問診することが大切である。主症状であっても、時間的に同時に起こるとは限らず、数年前にさかのぼって、視覚異常、口腔内異常、皮膚異常、陰部異常、胃腸障害、発熱などの有無を問診する。問診のなかで特に繰り返すような症状には注意を払う。眼症状は軽微なケースも存在するので、細かいエピソードにも注意が必要である。特に眼科的診察は自覚症状があるとき、出た直後に行うことが望ましい。眼炎症は軽微な場合は2~3日で消退するため、眼所見を見落とす可能性があるからである。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
園田康平 : 講演料(参天製薬(株),千寿製薬(株),中外製薬(株)),研究費・助成金など(住友ファーマ(株),中外製薬(株)),奨学(奨励)寄付など(参天製薬(株),HOYA(株),わかもと製薬(株),大塚製薬(株),日本アルコン(株)),企業などが提供する寄付講座(千寿製薬(株),(株)ニデック)[2024年]
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ベーチェット病(眼科)

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