QT延長症候群 :トップ    
監修: 今井靖 自治医科大学 薬理学講座臨床薬理学部門・内科学講座循環器内科学部門
清水 渉 日本医科大学大学院医学研究科 循環器内科学分野

概要

疾患のポイント:
  1. QT延長症候群(LQTS)とは、心電図上のQT時間の延長とTorsade de Pointes(TdP)と称される多形性心室頻拍を認め、失神や突然死の原因となる症候群である。
  1. QT延長はBazett式により心拍数補正した修正QT時間(QTc=QT/√RR)が440ms以上と定義する。
 
先天性LQTS・二次性LQTS:
  1. QT延長は、遺伝(家族)性を認め、安静時からQT時間が延長している先天性LQTSと、薬剤などの誘因が加わった場合にQT時間が著明に延長しTdPを発症する後天性(二次性)LQTSに分類される。
  1. 後天性QT延長症候群の原因:<図表>
  1. 検診の結果でQTの延長を認める場合や、運動中、精神的緊張時、または特異的な誘因(音刺激など)により、失神や眼前暗黒感を認める時に、先天性LQTSを想起する。
  1. 先天性LQTSでは遺伝子診断率が50~70%であり、遺伝子診断結果に基づいた治療が行われている。 エビデンス  エビデンス 
  1. 頻度の多いLQT1、LQT2、LQT3型では、遺伝子型別に特徴的な心事故の誘因を認める。
  1. エピネフリン負荷試験による遺伝子型(LQT1、LQT2、LQT3)の推定も行われている。
  1. 先天性QT延長症候群の原因遺伝子とイオンチャネル機能:<図表>
  1. 遺伝子型別の心事故の誘因(発端者):<図表>
  1. エピネフリン負荷試験による遺伝子型(LQT1、LQT2、LQT3)の推定:アルゴリズム
 
診断: …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

QT延長を来す原因の評価例
  1. QT延長作用のある薬剤の服用、低K血症などの電解質異常、徐脈などの後天性(二次性)LQTSの原因・誘因がないかを確認する。
  1. 後天性QT延長症候群の原因:<図表>
○ 薬剤性の原因の評価と同時に、電解質異常、頭蓋内疾患の評価目的で1)~6)を適宜評価する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
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(詳細はこちらを参照)

エピネフリン負荷試験による遺伝子型(LQT1、LQT2、LQT3)の推定
先天性QT延長症候群の原因遺伝子とイオンチャネル機能
遺伝子型別の心事故の誘因(発端者)
2012年改訂版 先天性QT延長症候群の診断基準
後天性QT延長症候群の原因
先天性QT延長症候群の薬物および非薬物療法 (慢性期治療)
先天性QT延長症候群のTorsade de Pointes 発作時の急性期治療
後天性QT延長症候群の治療
先天性QT延長症候群におけるIDCの植え込みの適応 
著者校正/監修レビュー済
2017/07/31


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