抗不整脈薬(薬理) :トップ    

中原 保裕1) 『今日の臨床サポート』編集部2) 1)(有)ファーマシューティカルケア研究... 2)

概要

まとめ:
  1. 循環器薬は長期間にわたり投薬を行うことが多い薬剤である。一般的に、抗不整脈薬は薬理学的にはVaughan Williams分類が用いられ、臨床的にはSicilian Gambit分類が用いられている。
 
抗不整脈薬の分類:
  1. Vaughan Williams分類は、抗不整脈薬をその薬理作用に基づいて4群に分ける古典的な分類法である。それぞれ、I群は、Naチャネル遮断を主たる作用とする薬剤、II群は、β受容体遮断を主たる作用とする薬剤、Ⅲ群はKチャネル遮断作用を主たる作用とする薬剤、IV群は、Caチャネル遮断を主たる作用とする薬剤である。
  1. Vaughan Williamsによる抗不整脈分類:<図表>
  1. ただし、Vaughan Williams分類はわかりやすい反面、複数のチャネルの遮断作用を持つ抗不整脈薬を分類するにあたって必ずしもこの枠組にあてはめられないことがあり、限界があることが知られていた。
  1. これらの、Vaughan Williams分類の限界を解消するために、1990年、イタリアのシシリー島で開催されたSicilian Gambit会議でSicilian Gambit分類が提唱された。この分類は、イオンチャネル、ポンプ、受容体に対する作用で薬剤を分類することで、作成されている。各作用の強弱は黒、灰色、白の3つに色分けで示されている。
  1. Sicilian Gambitが提唱する薬剤分類枠組(日本版):<図表>
 
Vaughan Williams分類I群:
  1. I群は、Naチャネル遮断を主たる作用とする薬剤であり、心房筋、心室筋、Purkinje線維の活動電位第0 相脱分極の最大立ち上がり速度を減少させることにより、伝導速度を低下させる薬剤である。I群はさらに活動電位持続時間(APD)に対する作用によって3つに細分化される。Ia群は活動電位持続時間を延長させる薬剤であり、Ib群は活動電位持続時間を短縮させる薬剤である。Ic群は活動電位持続時間を変化させない薬剤である。
  1. なお、Na チャネル遮断薬の中…

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Vaughan Williamsによる抗不整脈分類
Sicilian Gambitが提唱する薬剤分類枠組(日本版)
腎機能・肝機能障害例の抗不整脈薬選択
著者校正/監修レビュー済
2016/04/22