尿道炎 :トップ    
監修: 中川昌之 鹿児島大学
田中正利 福岡大学 医学科泌尿器科学

概要

疾患のポイント:
  1. 尿道炎とは、パートナーに感染している原因菌が性行為により外尿道口から尿道内に侵入して発症する炎症で、性感染症(sexually transmitted infections、STI)の一種である。
  1. 男性の性感染症の年次推移:<図表>
 
診断:アルゴリズム >詳細情報 
  1. 淋菌性尿道炎:
  1. 感染機会があり2~7日の潜伏期間の後、急激に発症し、強い排尿痛、多量の膿性尿道分泌物を認める場合、淋菌性尿道炎を疑う。
  1. 尿道分泌物または初尿沈渣のグラム染色鏡検法で、多数の白血球と白血球に貪食されたグラム陰性双球菌(淋菌)が確認される(<図表>)。分離培養法または核酸増幅同定法で淋菌陽性の場合に確定診断となる。淋菌性尿道炎の20~30%にクラミジアの混合感染がみられるので、初診時には核酸増幅同定法によるクラミジアの検査も行う。  解説 
  1. クラミジア性尿道炎:
  1. 感染機会があり1~3週の潜伏期間の後、比較的緩徐に発症し、軽い排尿痛、少量の漿液性~粘液性尿道分泌物を認める場合、クラミジア性尿道炎を疑う。
  1. 尿道分泌物または初尿沈渣のグラム染色鏡検法で白血球は認められるものの、グラム陰性双球菌は確認されない。核酸増幅同定法でクラミジア陽性の場合に確定診断となる。 解説 
  1. 淋菌性尿道炎とクラミジア性尿道炎の比較:<図表>
  1. 尿道炎の原因菌別尿道分泌物:<図表>

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

淋菌性尿道炎の初診時、フォローアップ時の検査例
初診:
  1. 淋菌性尿道炎では、スクリーニング検査としての尿道分泌物または初尿沈渣のグラム染色鏡検法で、多数の白血球と白血球に貪食されたグラム陰性双球菌(淋菌)が認められる。分離培養法または核酸増幅同定法で淋菌陽性の場合、淋菌性尿道炎と確定診断される。
  1. 淋菌性尿道炎においては20~30%にクラミジアの混合感染がみられるので、初診時には核酸増幅同定法によるクラミジアの検査も行う。
再来:
  1. 淋菌性尿道炎に推奨される注射薬を使用した場合、ほぼ100%の有効率を示すので、治癒判定は1週後に再来させ、症状、鏡検法により行ってよい。
○ 淋菌性尿道炎の初診時は1)または2)でスクリーニング検査を行い、確定診断として4)を行う。また、混合感染の可能性もあるので、5)も行う。再来時は、4)と5)の結果を確認する。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

尿道炎診断のアルゴリズム
尿道炎の治療のアルゴリズム
男性の性感染症の年次推移
淋菌性尿道炎とクラミジア性尿道炎の比較
淋菌のグラム染色鏡検所見
尿道炎の原因菌別尿道分泌物
著者校正/監修レビュー済
2018/04/05

改訂のポイント:
  1. 性感染症診断・治療ガイドライン 2016
に基づき、核酸増幅同定法の表と薬剤情報を改訂した。
また、性感染症の年次推移と淋菌の各種抗菌薬感受性成績の図を改訂した。


詳細ナビ