前立腺癌 :トップ    
監修: 堀江重郎 順天堂大学大学院医学研究科 泌尿器外科学
井手久満 獨協医科大学埼玉医療センター 泌尿器科

概要

疾患のポイント:
  1. 前立腺癌とは、前立腺に発生した悪性腫瘍である。前立腺辺縁領域より発生することが多く、病理組織化学的には腺癌がほとんどである。食生活の欧米化、前立腺特異抗原(prostate specific antigen、PSA)による早期血清診断が可能になったことに伴い、その発病率、死亡率ともに近年、急増してきている。PSA測定は、前立腺癌の診断に有用であり、また、治療効果の判定、治療後の経過観察にも用いられる。
  1. 排尿症状を伴う患者には外来でのスクリーニングが推奨される。局所前立腺癌においては、ロボット支援腹腔鏡下手術などの低侵襲性治療が導入されている。
  1. 前立腺癌は典型的な高齢者の癌であり、年齢別罹患率および死亡率は年齢の増加に伴って増加する。
スクリーニング: >詳細情報 
  1. PSAの正常域は、一般的に4.0ng/mL以下とされているが、年齢により値が異なるため、検診では、年齢層別の基準値設定が推奨されている。
  1. 50~64歳:3.0ng/mL
  1. 65~69歳:3.5ng/mL
  1. 70歳以上:4.0ng/mL
  1. PSA値で前立腺癌が予測でき、PSA 100ng/mL以上ではほぼ前立腺癌が診断される。
  1. PSAは前立腺肥大症、前立腺炎、バルーン留置後の尿路感染などでも上昇するので注意が必要である。
  1. なお、PSAが4.0 ng/mLを超えた場合に精査の後前立腺癌が診断となる確率は40~50%である。
  1. PSA検診に対する各ガイドラインの推奨に関しては、前立腺癌検診による利益と不利益を説明したうえで、希望者にスクリーニングを行うことは、どのガイドラインにおいても共通であるが、各ガイドラインで表現が異なる。日本泌尿器科学会は、『前立腺がん検診ガイドライン2018年』にて、血清PSA測定によるスクリーニングを推奨している。わが国においては、検診の普及により進行癌、転移癌罹患率が低下することを示唆する研究結果が報告されている。
 
診断: >詳細情報 
  1. 診断のポイント:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のために行う検査例
  1. 50歳以上の排尿障害のある患者には、直腸診とPSA採血を行う。
  1. 前立腺癌が疑われる場合、MRI検査を施行し、前立腺針生検を行う。
○ 直腸診またはPSA検査にて前立腺癌が疑われる場合、2)3)を行う。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

前立腺癌の多発骨転移
前立腺癌診断ノモグラム
前立腺MRI
前立腺癌の多発骨転移
椎体転移のMRI画像
著者校正済:2018/07/23
現在監修レビュー中

改訂のポイント
  1. 前立腺がん検診ガイドライン 2018年版
  1. 前立腺癌診療ガイドライン 2016年版
に基づき追加、変更を行った。


  • 腫瘍 の他のコンテンツを見る
  • 泌尿器 の他のコンテンツを見る
詳細ナビ