膀胱尿管逆流 :トップ    
監修: 松田公志 関西医科大学 泌尿器科学教室
中井秀郎 自治医科大学

概要

疾患のポイント:
  1. 膀胱尿管逆流(VUR)とは、膀胱尿管接合部の逆流防止機構の機能不全により、膀胱から上部尿路に尿が逆流することである。尿路感染と腎機能障害のリスクを有し、健康な小児の1~3%、出生前超音波診断水腎症の10~20%、VUR小児の無症候性同胞の30%、尿路感染症(UTI)を発症した小児の30~40%に認められる疾患である。基礎疾患を有する続発性VURと有さない原発性VURがある。
 
診断: >詳細情報 
  1. 排尿時膀胱尿道撮影法(VCUG)を用いて診断をするのが基本であるが、侵襲的な検査であるため検査の適応は限定される。
  1. 例えば、乳児期では、急性期腎シンチグラムで腎実質の集積欠損(将来腎瘢痕発生のリスクがある)や全体的な集積低下(異形成腎が疑われる)を認める場合や、超音波検査で矮小腎や尿管拡張を認める場合は、初回単発の有熱性尿路感染症に対して、VURを積極的に診断するための排尿時膀胱尿道撮影法(VCUG)を行うことが多い。再発性尿路感染症には必ず行う。
  1. 幼児期・学童期以後の有熱性尿路感染症に対しては、VCUGを行ってVURの有無と程度(国際分類グレード1~5)を診断する。
  1. VUR grade国際分類(VURの重症度):<図表>
  1. VCUGによる下部尿路とVURの評価 (原発性VUR):<図表>
 
重症度・予後評価: >詳細情報 
  1. VURの重症度は、VCUGでの上部尿路への造影剤の逆流量(あるいは上部尿路の拡張程度)により評価され、国際分類によりグレード1~5に分類される。一般的にグレードが高いほど、尿路感染の発生頻度や腎瘢痕・異形成腎の合併頻度が高く、自然治癒率も低い。
 
治療: >詳細情報 
  1. まとめ:
  1. 続発性VURでは神経因性膀胱などの基礎疾患の治療が最優先される。原発性VURでは、診断契機と年齢、性別、重症度(VUR grade)、腎実質病変(腎形成不全と後天性腎瘢痕)の程度を総合的に判断して治療方針を決定する。
  1. 乳児原発性VURの初期治療:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための評価例
  1. 排尿時膀胱尿道撮影法(VCUG)を用いて診断をするのが基本であるが、侵襲的な検査であるため検査の適応は限定される。
  1. 例えば、乳児期では、急性期腎シンチグラムで腎実質の集積欠損(将来腎瘢痕発生のリスクがある)や全体的な集積低下(異形成腎が疑われる)を認める場合や、超音波検査で矮小腎や尿管拡張を認める場合は、初回単発の有熱性尿路感染症に対して、VURを積極的に診断するための排尿時膀胱尿道撮影法(VCUG)を行うことが多い。再発性尿路感染症には必ず行う。
○ 通常1)にて診断するが、1)の前に2)によるスクリーニングを行うという考え方もある。

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薬剤監修について:
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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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(詳細はこちらを参照)

VUR grade国際分類(VURの重症度)
BBDのVUR消失率への影響 (メタアナリシス)
BBDの尿路感染症への影響(メタアナリシス)
VCUGによる下部尿路とVURの評価 (原発性VUR)
著者校正/監修レビュー済
2016/04/01

編集履歴:
2017年4月27日 誤植修正
修正箇所:
後部尿道便
後部尿道弁


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