前立腺炎 :トップ    
監修: 中川昌之 鹿児島大学
藤本直浩 産業医科大学 泌尿器科学講座

概要

疾患のポイント:
  1. 前立腺炎とは、何らかの原因により前立腺に炎症が起こり、会陰部痛や泌尿器症状を来す異なった疾患群である。前立腺炎はNIHにより4つのカテゴリー(急性細菌性前立腺炎、慢性細菌性前立腺炎、慢性前立腺炎/骨盤痛症候群、無症候性炎症性前立腺炎)に分類される。
  1. カテゴリーⅠは急性細菌性前立腺炎で、細菌感染により排尿症状や疼痛、発熱などの身症状を伴うものである。カテゴリーⅠでは前立腺マッサージは病状を増悪させる可能性があるため行わない。
  1. カテゴリーⅡ、Ⅲは慢性前立腺炎で骨盤痛症候群とも呼ばれる。カテゴリーⅡは慢性細菌性前立腺炎、カテゴリーⅢは慢性非細菌性前立腺炎で、炎症所見を認めるⅢAと認めないⅢBに分類される。カテゴリーⅣは無症状であるが、前立腺圧出液、精液、生検などで炎症所見が認められるものである。

診断: >詳細情報 
  1. 男性において、頻尿、残尿感、排尿痛などの排尿症状、下腹部痛または会陰部痛を認める場合には前立腺炎を疑う。
  1. 上記症状にて発熱を伴う場合には急性前立腺炎(カテゴリーⅠ)を疑い、直腸診にて前立腺の圧痛、尿検査で膿尿、細菌尿の有無、血液検査で白血球(好中球)数、CRPの上昇を調べる。適切な抗菌薬を決定するため尿(重症例では血液も)の細菌培養を行っておく。
  1. 発熱がない場合には、慢性前立腺炎(カテゴリーⅡ、Ⅲ)を疑い、2-glass testを行う。中間尿(VB2)と前立腺マッサージ後の初期尿10ml (VB3) を用いて尿沈渣で膿尿(>10個/視野)および細菌尿の有無を調べる。前立腺圧出液中の白血球および細菌の有無は細菌性、炎症性の鑑別に有用であるが、検体が十分採取できないことが多い。 
  1. 4-glass test(Meares-Stameytest):<図表>
  1. カテゴリーⅡとⅢの鑑別にはVB3の細菌培養が必要であるが、広く行われているとは言い難い。
  1. 性活動期の青壮年ではクラミジアや淋菌の可能性を考慮する。

治療: >詳細情報 
  1. カテゴリーⅠ、Ⅱは抗菌薬による治療、カテゴリーⅢは治療のコ…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

急性細菌性前立腺炎の治療例
  1. 軽症~中等度では内服抗菌薬、重症では入院のうえ、抗菌薬の静注を行う。
○ 急性細菌性前立腺炎の場合、軽症~中等症では1)を、重症では2)または3)を用いる。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)

急性細菌性前立腺炎(カテゴリーⅠ)に対する治療
慢性前立腺炎(カテゴリーⅡ、Ⅲ)に対する治療
4-glass test(Meares-Stameytest)
前立腺炎
著者校正/監修レビュー済
2017/03/31