乳腺線維腺腫

著者: 小島康幸 聖マリアンナ医科大学 乳腺・内分泌外科

著者: 津川浩一郎 聖マリアンナ医科大学 乳腺・内分泌外科

監修: 中村清吾 昭和大学医学部外科学講座乳腺外科学部門

著者校正/監修レビュー済:2017/01/26

概要・推奨  

疾患のポイント:
  1. 線維腺腫は日常診療でしばしば遭遇する乳房腫瘤である。境界明瞭、可動性良好な腫瘤として触知する。
  1. 好発年齢は15~35歳といわれ、30歳以下で発見されることが多く、妊娠やエストロゲン補充療法で大きさの増大を認めることがあるが、閉経後は自然退縮するのが一般的である。
  1. 多くは孤発性で1~2cmの腫瘤として認められ、3cm程度で増大が止まることが多い。
 
診断: >詳細情報 
  1. 診断には乳房超音波検査、マンモグラフィを行う。
  1. 線維腺腫の診断は主に超音波検査で行われ、典型的な所見であればそれ以上精査の必要はない。典型的な線維腺腫とは診断しきれない場合は細胞診や針生検を行うか、少なくとも慎重に経過観察をする。(所見の整合性<図表>)
  1. 超音波検査では円形~楕円形の低エコー腫瘤で、境界明瞭、平滑、内部エコーは均質、後方エコーは不変~軽度増強し、縦横比は0.7以下である。陳旧性線維腺腫では粗大な石灰化を伴うことがある。<図表> <図表> <図表>
  1. マンモグラフィでは日本人は背景の乳腺濃度が高く腫瘤が描出されないこともしばしばである。境界明瞭、平滑な等~高濃度腫瘤として認識される。
  1. 線維腺腫との鑑別に常に挙がるのが葉状腫瘍である。葉状腫瘍とは、40~50歳代で好発し急速増大する境界明瞭な乳腺腫瘍であり、病理上は、線維性間質の増生の優位な線維上皮性腫瘍である。約半数は良性であるが、25%程度が悪性と診断される。
  1. アルゴリズム:
  1. 線維腺腫を考える際の検査の流れ:アルゴリズム
  1. マンモグラフィーガイドライン:腫瘤について
検査・処方例
※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

乳房腫瘤に対する検査
  1. 日本人女性の乳房はマンモグラフィのみでは良性病変に関する所見が必ずしも得られないことがある。
○ 腫瘤の精査目的なので必ず乳房超音波検査は行うことがすすめられる。

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)


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