壊死性筋膜炎 :トップ    
監修: 細川直登 亀田総合病院
村中清春 諏訪中央病院 内科

概要

疾患のポイント:
  1. 壊死性筋膜炎とは、浅層筋膜を細菌感染の主座として急速に壊死が拡大する致死性の軟部組織感染症である。
  1. 皮膚の灰白色に変色した紫斑や水疱<図表>、血疱(bulla)などの所見があれば、進行した壊死性筋膜炎を疑う。
 
診断: >詳細情報 
  1. 初診時、30分、1時間、2時間と病変部をマーキングして病変部位が急速に拡大することを確認すると、診断の一助となる。
  1. 視診上、皮疹の程度が軽微に見えても「強く痛がる」「バイタルサインがおかしい」「疼痛範囲の拡大が速い」場合は壊死性筋膜炎を疑う。筋膜壊死が起こった部位では痛覚脱失を認めることもある。
  1. 確定診断は迅速病理組織診断による。壊死組織の一部を直接スライドグラスに塗布してグラム染色を行うと、起炎菌推定に役立つ。 エビデンス 
  1. 壊死性筋膜炎が疑わしい部分を皮膚切開して、筋膜組織の壊死を確認する。 エビデンス 
  1. 肉眼的に壊死がはっきりしなくても病理組織診断に提出する。「Dish water」と呼ばれる白色混濁組織液が確認されることが多い。切開した際の組織液、壊死組織の細菌検査も有用である。
  1. 壊死性筋膜炎を血液検査データで予測する研究によると、重症軟部組織感染症ではルーチンに6つの検査項目を測定し、13点中6点を超える症例では、壊死性筋膜炎がないか注意深く評価することが必要であると結論付けている。壊死性筋膜炎の早期発見に役立つとしているが、約半数が壊死性筋膜炎の集団での陽性予測値と陰性予測値であるため、結果の解釈には注意が必要である。臨床的に疑われる場合は、検査データ異常が乏しくても否定することはできない。 エビデンス 
  1. 壊死性筋膜炎水疱:<図表>
  1. 壊死性筋膜炎―筋膜組織の壊死:…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時評価例
  1. 壊死性筋膜炎は外科緊急症である。可能な限り早期に壊死組織をデブリードマンすることが予後に関連する。
  1. 皮膚の灰白色に変色した紫斑や水疱、血疱(bulla)などの所見は進行した壊死性筋膜炎に特徴的。可能なら、これらの所見がそろう前に診断し、外科的介入のタイミングを逃さない。以下のポイントを認めるときは、蜂巣炎よりも壊死性筋膜炎の可能性が高い。
  1. ショック
  1. 見た目と不釣り合いな頻呼吸、頻脈、血圧低値など
  1. 発赤の範囲を大きく越えて、視診上は正常に見える皮膚の部分を圧迫したときの強い痛み
  1. 視診上、紫斑を来すような部位での痛覚の脱失
  1. 急速に拡大する病変の範囲(マジックで痛みの範囲をマーキングし、30分後、1時間後に診察)
  1. 確定診断は迅速病理組織診断によるとされる。蜂巣炎との鑑別が難しい場合は外科系診療科に依頼し、病変部位の筋膜生検を行う。壊死組織の一部を直接スライドグラスに塗布してグラム染色を行うと、起炎菌が観察できることがある。
○ 壊死性筋膜炎を疑った場合は、1)~5)の検査を考慮する。ガス壊疸を疑う場合は、6)を考慮する。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

壊死性筋膜炎水疱
壊死性筋膜炎―筋膜組織の壊死
壊死性筋膜炎―筋膜組織壊死2
壊死性筋膜炎MRI
著者校正/監修レビュー済
2017/06/30


詳細ナビ