境界性パーソナリティ障害 :トップ    
監修: 上島国利 昭和大学
平島奈津子 国際医療福祉大学三田病院 精神科

概要

疾患のポイント:
  1. 境界性パーソナリティ障害(BPD)では、思春期前後から重要な他者(恋人や両親など)と不安定で諍いがちな関係に陥りやすく、些細な契機で衝動的な自傷、物質乱用・依存などの問題行動が特徴的に出現する。
  1. BPDは、米国における調査では有病率は一般人口の約2%で、その約7割が女性患者であり、わが国でも同程度と考えられている。
 
診断: >詳細情報 
  1. DSM-5では、①現実の、あるいは想像上の見捨てられる体験を回避するための死にものぐるいの努力、②理想化と脱価値化との両極端を揺れ動く不安定な対人関係、③不安定な情緒、④不適切で、制御困難な怒りの爆発、⑤慢性的な空虚感、⑥同一性障害、⑦衝動的自己破壊的行動、⑧一過性のストレス関連性の妄想様観念・重篤な解離性症状、⑨反復する自殺の脅し、ほのめかし、自傷、自殺行動――このうち5つ以上が長期にわたって認められる場合に、BPDと診断される。
  1. 鑑別診断は、双極Ⅱ型障害、非定型うつ病、統合失調症などである。
 
重症度・予後評価: >詳細情報 
  1. 否定的予後の指標として、薬物乱用、顕著な反社会的特性、ディスフォリアなどの存在が挙げられる。
  1. 米国における長期予後調査では、BPD患者の8割以上が中等度以上の改善を示しており、この割合はうつ病患者とほぼ同等である。自殺率は3~10%と、調査によって幅がある。
 
治療: >詳細情報 
  1. 多くのBPD患者に対して薬物療法が行われているが、その有効性についてのエビデンスは確立されていない。複数のメタ解析で、気分安定薬や第2世代の抗精神病薬がBPDの攻撃性や衝動性の有効性を示している。有効性と安全性のバランスから、第1選択薬として第2世代の抗精神病薬が推奨されることが多い。 エビデンス 
  1. ベンゾジアゼピン系抗不安薬によって容易に脱抑制を起こし、攻撃…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

BPD治療開始時の薬剤例
  1. 第1選択薬は非定型抗精神病薬が推奨される。
○ 1)か2)のいずれか1つを選択する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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著者校正/監修レビュー済
2016/04/22