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改訂のポイント:
  1. DSM-5-TRの日本語訳の名称変更に伴い、コンテンツタイトルを「境界性パーソナリティ障害」から「ボーダーラインパーソナリティ症」に変更した。
  1. 米国精神医学会(American Psychiatric Association)による『ボーダーラインパーソナリティ症の治療のための診療ガイドライン(The American Psychiatric Association Practice Guideline for the Treatment of Patients With Borderline Personality Disorder, Second Edition)』(2024年)に準拠した内容とした。
  1. これまでのボーダーラインパーソナリティ症(borderline personality disorder:BPD)に関する治療研究のエビデンスの限界について言及した;例えば、女性や白人患者のデータに偏っていること、ジェンダーの自認に考慮していないことなどである。
  1. BPD患者では、うつ病、双極症、心的外傷後ストレス症(PTSD)、不安症、摂食症、注意欠如・多動症(ADHD)、物質使用症、他のパーソナリティ症など、他の精神疾患の併存が認められることが多く、その場合、臨床症状はより重篤で、併存する精神疾患の寛解はより困難となる。
  1. BPD患者はスティグマにさらされ、医療機関などで治療を忌避されるような差別的処遇を受けることが少なくない。彼らのセルフスティグマを防ぐためにも、治療により症状が改善することなどの情報を提供するサイコエデュケーション(心理教育)を行うことが重要である。
  1. BPD患者に対する薬物療法は多剤併用(慢性投与)に陥りがちであるため、少なくとも半年ごとの見直し・調整が推奨される。
 

概要・推奨   

  1. ボーダーラインパーソナリティ症(borderline personality disorder:BPD)患者のセルフスティグマを防ぎ、治療的な協力関係を構築する目的で、サイコエデュケーション(心理教育)を行う。
  1. 多くのBPD患者に対して薬物療法が行われているが、多剤併用(慢性投与)に陥りがちである。少なくとも半年ごとの見直し・調整が推奨される。
  1. 薬物療法の有効性についてのエビデンスは限定されているが、複数のメタ解析は、気分安定薬や非定型抗精神病薬がBPDの攻撃性や衝動性に有効であることを示している。有効性と安全性のバランスから、第1選択薬として非定型抗精神病薬が推奨される。
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
平島奈津子 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:上島国利 : 特に申告事項無し[2024年]

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