末梢動脈疾患(PAD) :トップ    
監修: 代田浩之 順天堂大学大学院医学研究科循環器内科学
中村正人 東邦大学 循環器内科

概要

ポイント:
  1. 末梢閉塞性動脈疾患(peripheral arterial disease、PAD)とは、心臓および冠動脈以外の末梢血管の閉塞性疾患のことであり、閉塞性動脈硬化症(arteriosclerosis obliterans、ASO)、Buerger病など多彩な疾患を含む概念である。しかし、近年では、ほぼ閉塞性動脈硬化症と同義と考えてよい。
  1. PADとは:<図表>
  1. ASOは、高齢者、喫煙者、糖尿病歴を持つ患者で高率に合併する疾患で、症状として、間歇性跛行、血管雑音、脈拍の欠損などを認める疾患である。
  1. 有症候例の主訴の70%は間歇性跛行である。
  1. 間歇性跛行を認める鑑別疾患は、骨格筋の異常、静脈性跛行、神経根圧迫、股関節炎、脊柱管狭窄など多岐にわたる。
  1. 間歇性跛行を呈する血管病変の鑑別疾患として、若年のヘビースモーカーであればBuerger病、若年女性でRaynaud病など上肢の症状を伴えば膠原病を疑う。
  1. PAD全体では無症候性虚血肢が最も多く、その頻度は有症候例の2~5倍である。
  1. なお、本稿では主に慢性の跛行について記載しており、急性下肢虚血に関しては、 急性動脈閉塞症 を参照にする。
 
診断: >詳細情報 
  1. 足関節上腕血圧比(ankle brachial pressure index、ABI)は感度、特異度ともに90%以上であり、0.9をカットオフとし、最初に行うべきスクリーニング検査である。
  1. PADのスクリーニングがされたのちは、超音波検査、造影CT検査、MRI検査などによって病変の局在診断を行う。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 予後:
  1. 跛行症例の生命予後は5年死亡率30%と不良であるが、その死因の75%は心血管死である。 エビデンス 
  1. 無症候性PADも、5年以内に20%の心筋梗塞合併リスク、15~30%の脳卒中リスクを有し、その予後は症候例と変わりはない。
  1. 重症度:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

PADの薬物治療例
  1. 治療として、スタチン、ACE阻害薬、抗血小板薬、シロスタゾール(プレタール)の治療がある。跛行の改善、心血管障害防止の効果がともに認められるのは、スタチン、ACE阻害薬、抗血小板薬で、跛行の改善が認められるのは、シロスタゾール(プレタール)である。
○ LDLコレステロールを120mg/dl未満にコントロールする目的で1)~6)から1剤選んで用いる。跛行例、またはABI<0.9の症例では、7)~9)のいずれかまたは併用することを考慮する。

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薬剤監修について:
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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
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(詳細はこちらを参照)

PAD患者に多くみられる足症状
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PAD患者の心血管リスク管理目標(ACC/AHAガイドライン)
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PADの重症度分類(Fontaine、Rutherford)
ASOと脊柱管狭窄症(spinal canal stenosis、SCS)の鑑別ポイント
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著者校正/監修レビュー済
2018/01/31


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