末梢動脈疾患(PAD)

著者: 中村正人 東邦大学 循環器内科

監修: 代田浩之 順天堂大学大学院医学研究科循環器内科学

著者校正/監修レビュー済:2019/08/22

概要・推奨  

  1. 跛行肢の生命予後は5年死亡率30%と不良であり、心血管死が75%を占める。また、PADは無症候であってもその生命予後は不良である。無症候性PADも、5年以内に20%の心筋梗塞合併リスク、15~30%の脳卒中リスクを有しており、軽症であると判断してはならない(JG
  1. 跛行肢の重症度診断とともに、心血管イベントリスク評価が重要である。ABI測定は、跛行肢の重症度判定のみならず心血管イベントリスクを示唆する点からも、スクリーニング検査として推奨される(JG、推奨度1
  1. PAD症例はpolyvascular diseaseが高率であり、アテローム血栓症として考えるべきである(JG)
  1. 跛行肢が重症化することは少なく下肢の予後は概して不良でないが、いったん重症虚血肢となると、下肢、生命予後ともにきわめて不良である(JG)
  1. PADに対する薬物治療の目的は大きく2つに大別される。1つは跛行症状の改善であり、もう1つは心血管事故防止のための戦略である。PADには、心血管事故防止のために厳格なリスク管理が推奨される(JG、推奨度1
  1. 跛行の改善は運動療法と薬物療法推奨される(JG、推奨度1
  1. 跛行改善のための薬としてはシロスタゾールがTASCでは推奨されている。シロスタゾールは歩行距離を40~60%増加させ、ABIも改善する(RJG
運動療法は、即効性は期待できないため、動機づけを維持することが難しく、効果を得るには週5日、6カ月以上実施する必要がある。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 旧ガイドラインからACC/AHAガイドライン2016へ加筆修正を行った。 
  1. 旧ガイドラインからESCガイドライン2017へ加筆修正を行った。


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