骨髄炎

著者: 河村一郎 大阪国際がんセンター感染症内科

監修: 上原由紀 聖路加国際病院 臨床検査科/感染症科

著者校正/監修レビュー済:2019/09/06

概要・推奨  

  1. 骨髄炎とは、細菌などが骨髄に感染したことにより起きる感染症である。血行性のほか、外傷や周囲の組織などから直接感染することがある。
  1. 診断は病歴、身体診察、検査所見(培養、画像検査など)に基づく臨床診断である。なかでも、培養検査(血液培養、骨生検の培養など)による原因菌の同定は、診断と治療の両面で重要である。
  1. 起因菌の評価には、骨生検の培養の結果が最も信頼度が高い。また、骨生検組織の培養による検出菌とその周囲の組織など骨以外の検出菌は必ずしも一致しないことが知られているため、周囲の組織の培養結果を信頼して治療を開始してはいけない(推奨度2)。
  1. 培養提出時は好気性菌・嫌気性菌、抗酸菌、真菌の確認を行う。血液培養は治療開始前に少なくとも2セットは採取する(推奨度2)。
  1. MRIは、特に足・踵、椎骨病変の評価に対して、感度・特異度に優れ、画像検査のなかで有用な評価方法である。なお、MRIによる評価が困難な場合は、CT検査などの検査を検討する(推奨度2)。
  1. 腫瘍、骨転移:Ewing肉腫、骨肉腫、悪性腫瘍の転移との鑑別のため、骨生検時に病理組織を提出する(推奨度2)。病理組織では、炎症性滲出液に隣接する広大な骨吸収と骨壊死性を認める。
  1. 菌血症が疑われる場合など緊急性を要する場合は速やかに培養検体を採取し、患者背景に基づき経験的な抗菌薬を開始する(推奨度2)。
  1. 抗菌薬は静注で開始する。また、外科的処置を必要とする場合は同時に行う(推奨度2)。
  1. 内服へのスイッチを行う時期について明確な指標は存在しない。少なくとも2週間は静注で実施し、あとは原因菌の種類、菌血症の有無、治療への反応、感受性のある内服抗菌薬の存在などを考慮しつつ個別に対応する(推奨度2)。
  1. 抗菌薬の投与期間に明確な基準はないが、少なくとも4~6週間が推奨されることが多い(推奨度2)。
  1. 骨髄炎は骨の生理的・解剖的特徴により抗菌薬による治癒が難しい疾患の1つである。十分な治療を行っても再燃するリスクはあり得る。
 
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、概要・推奨について加筆修正を行った。


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