急性腎炎 :トップ    
監修: 木村健二郎 地域医療機能推進機構 東京高輪病院
鶴屋和彦 九州大学大学院 包括的腎不全治療学

概要

疾患のポイント:
  1. 急性腎炎とは、「先行感染後、比較的急な経過で発症し、血尿、蛋白尿とともに、浮腫、乏尿、高血圧、糸球体濾過量の減少を認める疾患」と、WHO臨床症候分類で定義されている。
  1. かつては、感染を契機に急性発症する糸球体腎炎の80~90%が、A群β溶連菌による扁桃炎もしくは皮膚感染症を原因とする溶連菌感染後急性糸球体腎炎(post-streptococcal AGN、PSAGN)であった。
  1. しかし、近年は、他の感染症を原因とする非溶連菌感染後糸球体腎炎(post non-streptococcal AGN、PNSAGN)が増加し、PSAGNに代わって感染後急性糸球体腎炎(PIAGN)という病名が用いられるようになった。
  1. PSAGNでは、半数以上が7歳以下の小児で、40歳以上の成人は10%のみである。PNSAGNでは、ほとんどが免疫不全の成人である。 エビデンス 
 
診断:アルゴリズム
  1. ポイント:
  1. WHO臨床症候分類で、「先行感染後、比較的急な経過で発症し、血尿、蛋白尿とともに、浮腫、乏尿、高血圧、糸球体濾過量の減少を認める疾患」と定義される。
  1. 通常1~2週前の先行感染の証明と、血尿・蛋白尿などの病態を認めた場合に急性腎炎の診断となる事が多い。ただし、一部の症例では、先行感染を明白に認めず、同様の症状を呈したということで急性腎炎と診断されることもある。
  1. 臨床経過、検査所見から診断を想起することが比較的容易であり、また数週間以内に速やかに寛解することが多いため診断に腎生検を必要とすることは少ない。しかし、症状が改善しない場合などでは鑑別のために腎生検を行うこともある。
  1. 特徴的な検査所見:
  1. 急性腎炎を認める患者では、血清学的な補体価の低値(CH50およびC3は低値、C4は正常から軽度低下例まである)、検尿では、変形赤血球や赤血球円柱など糸球体性血尿を呈する。 エビデンス 
  1. 臨床症状では診断できない場合や症状が遷延化する場合には、腎生検を行い組織像を確認する。溶連菌感染後急性糸球体腎炎の組織像は、…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための評価例
  1. 腎機能を測定するとともに、検尿を行い、腎障害の程度を評価する。
  1. 先行感染の評価目的で頻度の高い溶連菌感染症の評価として、ASO、ASKを評価し、また感染巣が不明な場合はガリウムシンチグラフィ・PET検査の追加を考慮する。
  1. 心不全との鑑別が必要な場合は、BNPを検査し、また心エコー検査を行う。
○ スクリーニングとして、すべての患者に1)を、病勢評価のために2)を、感染症の遷延の有無の評価スクリーニングとして3)を施行する。先行する溶連菌感染の評価目的で4)を、感染巣不明例では5)6)による評価を考慮する。心不全との鑑別が必要な場合は8)9)による評価を追加する。

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急性糸球体腎炎の診断、治療
急性糸球体腎炎症候群を呈するおもな疾患
急性腎炎症候群の電顕像
溶連菌感染後急性糸球体腎炎光顕像
溶連菌感染後急性糸球体腎炎 Mesangium型
著者校正/監修レビュー済
2017/02/28


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