一酸化炭素中毒

著者: 入江仁 津軽保健生活協同組合健生病院救急集中治療部

監修: 箕輪良行 みさと健和病院 救急総合診療研修顧問

著者校正/監修レビュー済:2019/10/03

概要・推奨  

  1. CO中毒患者の症状や身体所見は非特異的であり、病歴と身体診察で鑑別疾患から除外することは困難である。病歴からCO中毒を疑う場合にはCO-Hb血中濃度を測定することを強く推奨する(推奨度1)
  1. CO-Hb血中濃度を測定するに当たり、スクリーニングであれば静脈血を用いることも、推奨されるかもしれない(推奨度2)
  1. CO中毒と診断した場合、合併症である心筋障害について評価することが強く勧められる(推奨度1)
  1. 意識障害などの神経精神症状がみられ、他のバイタルサインが安定している場合には、頭部CT、MRIにより中枢神経の評価を行ってもよい(推奨度2)
  1. CO中毒を疑った場合には、速やかにリザーバー付き酸素マスクなどを用いた100%酸素投与(NBO)を開始することが強く勧められる(推奨度1)
  1. CO中毒患者に対するHBOは、遅発性(間欠型)脳症の発症を抑制したり神経症状の予後を改善したりするとされるが、ルーチンで行うことは推奨されない。しかし、中等症以上の患者では有効な可能性があり、症例を選択して実施することは勧められるかもしれない(推奨度2)
  1. 火災現場で煙を吸って搬送された患者の場合、CO中毒にシアンガス中毒を合併している可能性を考慮しておくことが勧められる(推奨度2)
  1. 妊婦における重症CO中毒症例にはHBOが有効な可能性があり、実施を検討することが勧められるかもしれない(推奨度2)
  1. HBOを実施できない施設で中等症以上のCO中毒患者を治療している場合、HBO実施可能な施設に対してHBOの実施や転院の適否についてコンサルトすることが勧められる(推奨度1)
  1. CO-Hb血中濃度はCO中毒を診断するうえで重要だが、単独で重症度判定に用いることは推奨しない(推奨度4)
  1. 高度な代謝性アシドーシスはCO中毒患者の予後不良因子である(推奨度2)
  1. 自殺企図によるCO中毒の場合、同時にアルコールや複数の薬物を摂取している恐れがあるため、中毒のスクリーニング検査や血中アルコール濃度測定を考慮する(推奨度2)
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、CO-Hb測定可能なパルスオキシメーターの有用性についてと、遅発性脳症の危険因子について加筆修正を行った。


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