アルコール中毒(エタノール以外) :トップ    
監修: 箕輪良行 みさと健和病院 救急総合診療研修顧問
関井肇 順天堂大学 救急・集中治療科

概要

疾患のポイント:
  1. 不凍液、保冷剤、ウィンドウォッシャー液、各種洗浄液、溶剤、消毒液、香粧品、その他の工業製品などの曝露歴を認めたときにはアルコール類の中毒が鑑別に挙がる。
  1. 腎性アシドーシス、乳酸アシドーシス、ケトアシドーシス(糖尿病、エタノール)、サリチル酸中毒、飢餓状態以外のアニオンギャップAG高値の代謝性アシドーシスを診察した際には、メタノールやエチレングリコール中毒を疑う。イソプロパノール中毒では代謝産物がアセトンであるためケトン血症を呈するもののAG高値のアシドーシスは呈さない。
  1. メタノール中毒:メタノールの代謝産物である蟻酸によるチトクロームオキシダーゼ活性の阻害により、網膜障害、中枢神経障害、多臓器障害、代謝性アシドーシスなどを来す(視覚のぼやけ・中心暗点・失明の病歴はメタノール中毒を想起する)。
  1. エチレングリコール中毒:グリコール酸、グリコキシル酸、シュウ酸へと代謝される。腎障害、嘔吐、構音障害、失調、意識障害、テタニー、代謝性アシドーシスなどを来す(側腹部痛、血尿、乏尿の病歴はエチレングリコール中毒を想起する)。
  1. イソプロパノール中毒:アセトンへと代謝される。中枢神経抑制、嘔吐など。毒性は低い。エタノール中毒と類似した症状を来す。
 
診断:アルゴリズム >詳細情報 
  1. 疑わしい病歴や身体所見を認めたら浸透圧ギャップを計算し、係数をかけ合わせることで推定血中濃度を算出することができる。
  1. メタノール中毒では、典型的には、蟻酸への代謝まで時間がかかるため、12~24時間の潜伏期が生じるといわれているため、注意が必要である。
  1. 浸透圧ギャップ(⊿Osm)からの推定血中濃度の求め方
  1. 浸透圧ギャップ(⊿Osm):実測の血清浸透圧-計算上の浸透圧
  1. 計算上の浸透圧の求め方:2(Na)+Glu/18+BUN/2.8
  1. 推定血中濃度(mg/dl):係数×⊿Osm
  1. 浸透圧ギャップの係数:メタノール3.2、エチレングリコール6.2、イソプロパノール6.0
 
重症度・予後: >詳細情報 

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時の検査
  1. 浸透圧ギャップを計算して推定血中濃度を算出する(詳細  >詳細情報  )
○ アルコール中毒を疑う場合、病態に合わせて1)~8)とともに14)を実施して評価する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

アルコール類の中毒診療フローチャート
著者校正/監修レビュー済
2016/07/21


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