溺水 :トップ    
監修: 林寛之 福井大学医学部附属病院
加藤之紀 JA広島総合病院 救急・集中治療科

概要

疾患のポイント:
  1. 溺水とは、気道内に液体が入り、気道が閉塞することにより起きる窒息の一種である。
  1. 溺水は全世界で年間50万人が死亡しており、特に小児の死因の多くを占める病態である。
  1. 気道に水が浸入した際の咳反射や呼吸苦による喘ぎなどによる誤嚥、 窒息 や喉頭けいれんによる低酸素、脳虚血によって溺水患者は速やかに意識消失、無呼吸、次いで 心肺停止 に陥る。
 
診断(評価):アルゴリズム >詳細情報 
  1. 海、川、湖、風呂、プールなどの水がある環境で、浸水に由来する呼吸障害、意識障害などを来した場合、溺水と考える。
  1. 現場で反応がない場合はC→A→BではなくA→B→Cの順で評価、介入していく。呼吸停止のみ起こっている患者の多くは2回の即座の換気によって呼吸を再開する。水中からの蘇生(換気)開始によって、水中で反応のない溺水患者の生存予後向上が期待できる。 エビデンス 
  1. 水中でのCPR:<図表>
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 来院前の呼吸停止、心肺停止の病歴や、来院後の酸素投与でも保てない呼吸障害や血圧低下、意識障害を認める場合、重症と判断する。
  1. 生命予後は、呼吸障害の程度、低血圧の有無、呼吸停止、心肺停止の有無などによって異なり、呼吸停止に陥った場合は44%、心肺停止に陥った場合は90%近くの死亡率に上るといわれる ( エビデンス ) 。水温よりも溺水時間が予後に関係する。
  1. 死亡または神経学的予後不良に関連する溺水の臨床的特徴:<図表>

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時の対応と特に大事な検査
  1. 意識状態、呼吸状態を評価する。
  1. 来院時の意識状態は必ずしも予後と一致しないが、頭部CT、MRIの異常所見は神経学的予後不良を示唆する。
○ 飛び込みなど、大きな力が加わったときは頚椎X線検査、CTも考慮する。
○ 全例1)2)4)は行う。
○ 意識消失、意識障害があったものは3)5)も併せて行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

溺水患者の現場~病院までのアルゴリズム
遺伝性QT延長症候群の心電図
死亡または神経学的予後不良に関連する溺水の臨床的特徴
溺水後患者の胸部XP
著者校正/監修レビュー済
2016/04/22


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