今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 木下浩作 日本大学医学部救急医学系救急集中治療医学分野

監修: 永山正雄 国際医療福祉大学医学部・成田病院 脳神経内科、集中治療部

著者校正/監修レビュー済:2024/11/27
参考ガイドライン:
  1. 日本蘇生協議会:JRC蘇生ガイドライン2020
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 院外心停止で自己心拍再開後に反応のない低(無)酸素・虚血後脳症では、体温管理療法を行うことが提案されており、基本的な考え方はJRC蘇生ガイドライン2015から変更されていない。今後、体温管理療法の精度や呼吸・循環管理、感染対策などの全身管理が重要視されるであろう。

概要・推奨   

  1. 低(無)酸素・虚血後脳症とは、脳の灌流低下や低酸素血症によって起こる脳の全体的な障害状態である。
  1. 診断は、病歴にて行う。心停止や気道異物による窒息、入浴中の溺水などにより、バイタルサインが回復しても意識障害が持続する場合は、低(無)酸素・虚血後脳症を疑い原因の評価と加療の検討を始める(推奨度1)
  1. 全身性の病態に引き続いて発生することが多く、特に心筋梗塞、致死性不整脈や重症肺炎、急性呼吸窮迫症候群や肺塞栓などの心肺疾患や急性中毒が重要である。臨床的には、極端な低血圧(収縮期血圧<60mmHg)、心停止や気道異物による窒息が原因となることが多い。
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 低(無)酸素・虚血後脳症は、脳の灌流低下や低酸素血症によって起こる脳の全体的な障害状態である。全身性の病態に引き続いて発生することが多く、特に心筋梗塞、致死性不整脈や重症肺炎、急性呼吸窮迫症候群や肺塞栓などの心肺疾患や急性中毒が重要である。
  1. 心停止後症候群の基本病態は、不十分な再灌流や再灌流傷害、全身虚血後に発生するフリーラジカルに代表される副産物による脳傷害や全身の凝固障害からなる。特に、自己心拍再開後の心機能や循環系変動に伴い、ショック(低拍出性、心原性など)から全身性炎症反応症候群に進展する。全身性の低酸素状態は、微小循環障害から神経毒やフリーラジカルが大量に発生し、脳脊髄液や血液を通じて、脳や全身の微小循環障害が持続する。
  1. 心停止後症候群では、一過性の脳血流の増加がみられるが、微小循環障害の結果、脳血流は減少(no-reflow:虚血が長時間続くと血管内皮が損傷を受け、微小循環障害が発生する。毛細血管が閉塞して、血流が再開しても十分な血液が灌流しない現象をいう)し、低(無)酸素・虚血後脳症が発生する。この現象は、脳灌流圧がみかけ上正常でも認められ、再灌流傷害が意識障害の一因になる。自己心拍が再開しても意識障害が遷延する場合は、低(無)酸素・虚血後脳症と判断する。現在では心停止後症候群の脳傷害として位置づけられている。
  1. 臨床的には、極端な低血圧(収縮期血圧<60mmHg)、心停止や気道異物による窒息が原因となることが多い。
  1. 脳が低酸素状態に対して代償できる値はPaO2で40mmHgが限界で、それ以下では脳機能障害を来す。平均動脈圧も60mmHg以下では脳灌流圧を維持できず、脳血流は低下し意識障害が発生する。
  1. 心停止後の自己心拍再開患者(心停止後症候群:post cardiac arrest syndrome、PCAS)は最も重要で、かつ頻度の高い低(無)酸素・虚血後脳症の原因である。
  1. 一酸化炭素(CO)中毒は有毒ガス中毒のなかで最も多く、原因として火災、自動車排気ガス、産業事故や家庭用燃料の不完全燃焼などが挙げられる。COはヘモグロビン(Hb)との親和性が強く、酸素の220~250倍である。吸収されたCOは一酸化炭素ヘモグロビン(CO-Hb)となり、組織への酸素運搬と組織における酸素の取り込みを阻害するため、脳や全身の組織は低酸素状態になる。CO中毒の症候は、血中のCO濃度に相関する。10~20%の濃度で頭痛および悪心が現れる。20%以上の濃度では、めまいや脱力が出現する。30%以上の濃度では呼吸困難を来し、さらに高濃度では失神発作を来す。濃度が50~60%以上では昏睡、呼吸不全から致死的になる。しかし、臨床症候と血中CO-Hb濃度が相関しない場合がある。その理由には、火災現場でのCO 中毒の多くはシアン化水素、二酸化炭素や硫化水素などとの混合ガス中毒であることがある。火災の場合には、二酸化炭素、シアン化水素、窒素酸化物などの混合ガス中毒であるだけではなく、むしろシアン化水素による症状が強く出ている可能性がある。
  1. CO中毒は、頭痛・悪心、脱力感、呼吸困難、失神、昏睡などの急性症状を引き起こす。診断は、現病歴、症状とCO-Hb濃度などにより行う。
  1. 新型コロナウイルス感染症は、超急性期の代謝障害、敗血症、ウイルス血症等によるサイトカインストーム、低酸素による急性脳症やさまざまな機序による血栓症が合併しやすいことや、敗血症性ショック等による血圧低下も生じ、低(無)酸素・虚血後脳症の病態を呈する[1]
問診・診察のポイント  
  1. 心停止後の自己心拍再開患者の場合は、心停止に至った原因、初期心電図や心停止から自己心拍再開までの時間が転帰と関係しているため、病歴聴取と同時に救急隊からの詳細な情報収集が重要である。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
木下浩作 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:永山正雄 : 特に申告事項無し[2025年]

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低(無)酸素・虚血後脳症

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