潜水病 :トップ    
監修: 林寛之 福井大学医学部附属病院
前田重信 福井県立病院救命救急センター

概要

疾患のポイント:
  1. 潜水病(diver’s disease)は急速な減圧による障害、急速な加圧による障害が含まれる。
  1. 潜水病は一般的に、潜函病、減圧症、ケイソン(caisson)病などとも言われ、急激な減圧により血液中に溶け込んだ窒素が気泡化し生じる疾患である。主に10m以下(特に30m以下)に長時間ダイビング中、急上昇すると血液中に溶け込んだ窒素が気泡化する。
  1. 発生頻度は1万ダイブあたり2.8の発生で、関節痛(ベンズ)の1型減圧症と神経症状を伴う2型減圧症( >詳細情報 )があり、死亡率は10万ダイブあたり1.5~9である。
  1. 動脈空気塞栓症はダイバー死因の30%を占め、肺胞破裂による空気の肺静脈への漏出で生じる。
 
診断: >詳細情報 
  1. 症状の特徴とダイビングとの関係から診断される。ダイビングプロフィールを使い診断の重要な手がかりとする。
  1. 症状発生時からみた潜水病のアプローチのアルゴリズム:アルゴリズム
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. バイタルサインの異常や意識障害、呼吸困難、空気塞栓の症状である肺梗塞や、心筋虚血の症状、麻痺などの神経症状があれば重症と判断する。
 
治療: >詳細情報 
  1. 緊急対応として、リザーバー付き酸素マスクなどを使用して100%酸素投与を開始する(常気圧酸素吸入:NBO)。意識障害、気道閉塞、呼吸不全があれば気管挿管、人工呼吸器管理を検討する。心肺停止状態であれば、ACLSに準じ蘇生を開始する。
  1. 再加圧療法である高気圧酸素療法(HBO)を行う。HBOは、減圧症と動脈空気塞栓症の唯一の治療手段である。米国海軍が用いているTable 6が施行可能な第2種高気圧酸素治療装置(チャンバー)がある医療機関に可及的速やかに搬送するアルゴリズム
  1. 気胸があるときは胸腔チューブドレナージなどを考慮し、循環動態が悪い場合は、太めの静脈留置針で輸液路を確保し輸液により循環の安定化を図る。
  1. 動脈空気塞栓または重症減圧症治療のアルゴリズム:…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

症状発生時からみた潜水病のアプローチのアルゴリズム
動脈空気塞栓または重症減圧症治療のアルゴリズム
米国海軍治療テーブルのまとめ
再加圧療法にならない症状疾患
治療テーブル4 
治療テーブル5
治療テーブル6
治療テーブル6A
治療テーブル7
治療テーブル9 
著者校正/監修レビュー済
2016/12/28


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