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監修: 林寛之 福井大学医学部附属病院
徳永日呂伸 長良整形外科クリニック、市立敦賀病院 救急科

概要

ポイント:
  1. 「創傷」という単語があるが、正式には皮膚表層が破損しているものを創(例:縫合が必要な挫創)、皮膚表層は保たれているが内部に何らかの外傷性変化を来したものを傷(例:皮下血腫のみの挫傷)と呼ぶ。
  1. ここでは、切創・裂創・割創といった縫合処置を必要とする創の診療を中心に、擦過創および刺創の診療についても少し触れる。

診断:  >詳細情報 
  1. 「創部より末梢の運動・知覚・循環の確認」は、あらゆる外傷における診療の基本であり、異常があれば腱・神経・血管などの損傷を考慮することになる。
  1. 視診・触診だけで判断できない創内異物残存の確認のために必要によって行う検査としては、単純X線(さまざまな金属や2mm以上のガラス片などは写ることが多いが、例えば純アルミニウム製の一円玉は通常の単純X線撮影ではまったく陰影にならない。異物の存在が確認できた場合は役に立つが、存在しないことの証明としての過信は禁物)やCT(より多くの材質が写る)のほか、高解像度の超音波も有用である。
  1. 抵抗をかけて腱の働き、関節包、特殊な修復が必要な部位(眼瞼、涙小管~鼻涙管、唾液腺など)を評価する。
 
治療:  >詳細情報 
  1. 治療・対処として、洗浄、破傷風の予防、抗菌薬の投与、開放創の管理、閉創のステップで行われる。閉創の方法には創閉鎖用テープ、皮膚用局所接着剤、スキンステープラー、縫合糸などを用いる方法がある。
 
洗浄: >詳細情報 
  1. 極端な汚染のある創部でなければ、創洗浄に先立って局所麻酔を行う。
  1. 浅い擦過創の局所麻酔には、2%キシロカインゼリーを創傷面に直接塗布して10~15分待つことで、洗浄処置を行うのに十分な麻酔が得られることが多い。不十分な場合には局所浸潤注射を行う。(1%リドカイン(キシロカイン)9~10mLに1mLの割合で重炭酸塩(メイロン)を混ぜると、注射時の疼痛を軽減できる。)
  1. 大量(1カ所につき約500cc)の生理食塩水または水道水で充分洗浄する。高圧洗浄は必ずしも必要ではなく、必要に応じてデブリードメントを行う。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

創閉鎖用テープの使用法
ダーマボンドの使用方法
皮膚用局所接着剤と創閉鎖用テープの組み合わせ
毛髪と局所接着剤を用いた閉創
皮膚縫合の基本的サイズ (米国の基準)
マットレス縫合
真皮縫合 (深部埋没縫合、いわゆる「中縫い」)
マイナー外傷処置における縫合糸選択と抜糸時期の目安
破傷風トキソイド・破傷風免疫グロブリン製剤の投与基準
著者校正/監修レビュー済
2018/05/23