高CK血症 :トップ    
監修: 前野哲博 筑波大学医学医療系 地域医療教育学
前野貴美 筑波大学 総合診療科

概要

所見のポイント:
  1. 高CK血症は、CK(Creatine kinase:クレアチンキナーゼ)が正常値より上昇している状態である。
 
緊急時対応: >詳細情報 
  1. CK上昇がみられた場合、緊急の対応が必要な診断として心筋梗塞や心筋炎などの心疾患、横紋筋融解症、悪性高熱症、悪性症候群などがある。それぞれの診断、症状に従い治療する。
 
症状治療・診断的治療: >詳細情報 
  1. 原因疾患に対する治療を行う。
 
専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. 運動後、医原性などを除き、原疾患について専門医への相談を考慮する。
 
診断へのアプローチ:(診察: >詳細情報 )
  1. CK上昇をみた場合、CKが存在する臓器(心・骨格筋)に何らかの傷害が発生したと考え、問診・診察を行う。
  1. まず、心筋梗塞や心筋炎などの心疾患を評価するため、胸痛、動悸、呼吸困難、失神などの症状を確認する。続いて骨格筋由来を評価するために筋肉痛などの症状を確認し、AST、LDH、アルドラーゼの測定を行う。薬剤歴と横紋筋融解症、悪性高熱症、悪性症候群などの重篤な疾患を評価しながら、炎症性ミオパチー(皮膚筋炎など)、感染性ミオパチー(ウイルス性筋炎、敗血症など)、薬剤性、筋ジストロフィー、内分泌疾患(甲状腺疾患など)、周期性四肢麻痺、運動後、無症候性、運動ニューロン疾患などの原因を評価する。
  1. 細胞上清分画にはCK-MM、CK-MB、CK-BBの3つのアイソザイムが存在し、CK-MMは骨格筋、CK-MBは心筋、CK-BBは脳や平滑筋に多く存在し、ミトコンドリア分画にはミトコンドリアCKが存在する。アイソザイム分析を行うことで損傷組織、臓器を推測することも可能である。
  1. CK上昇鑑別のアルゴリズムアルゴリズム
 
鑑別疾患:(鑑別疾患のリスト: 鑑別疾患 )
  1. 下記の疾患が頻度高い疾患、重篤な疾患、まれな治療可能な疾患である。
  1. 頻度の高い疾患: >詳細情報 
  1. 心疾患(心筋梗塞、心筋炎)、皮膚筋炎・多発筋炎、甲状腺機能低下症、激しい運動、特発性
  1. 重篤な疾患: >詳細情報 
  1. 横紋筋融解症、悪性高熱症、悪性症候群
  1. まれな治療可能疾患: >詳細情報 
  1. 悪性高熱症
 
臨床のポイント:
  1. CK上昇をみた場合、CKが存在する臓器(心・骨格筋)に何らかの傷害が発生したと考えて評価を行う。
  1. 病歴・身体所見で心疾患、筋疾患を評価するが、検査ではCKアイソザイムの測定が鑑別に有用である。
  1. 無症候性のCK上昇の原因として、激しい運動、マクロCK血症などがある。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

心疾患が疑われる場合の評価
  1. CK上昇がみられた場合、心疾患は重篤であり頻度も高いため、常に鑑別疾患として考慮する。冠動脈疾患のリスク、病歴・身体所見などから心疾患が疑われる場合、以下の検査をオーダーし、循環器内科にコンサルテーションを行う。
○ 心疾患が疑われる場合、下記の検査をすべて行う。

骨格筋疾患(ミオパチー)が疑われる場合の評価
  1. 骨格筋疾患(ミオパチー)が疑われる場合、CK、AST、LDH、アルドラーゼなどの筋原性酵素の測定が診断および経過観察に有用である。
○ 骨格筋疾患が疑われる場合、下記を病態に合わせて適宜行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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CK上昇鑑別のアルゴリズム
皮膚筋炎の皮膚症状
著者校正/監修レビュー済
2017/07/31