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概要・推奨
疾患のポイント:- 無菌性髄膜炎とは、発熱、頭痛、項部硬直や意識障害などの髄膜炎症状を認めるが、髄液培養や血液培養で肺炎球菌やインフルエンザ菌などの「細菌性髄膜炎」で一般的に検出される細菌が検出されない状態である。
- 無菌性髄膜炎は単一疾患ではなく、多種多様の疾患が含まれる疾患概念である。例えば感染症による無菌性髄膜炎では原因微生物としてウイルス(コクサッキーウイルスやエコーウイルス、エンテロウイルスなどのエンテロウイルス属、ムンプスウイルス、EBV、CMV、VZV、HIVなど)、抗酸菌(結核菌など)、真菌(クリプトコックスなど)、スピロヘータ(梅毒トレポネーマ、レプトスピラ、ボレリア属など)、リケッチア(ツツガムシや日本紅斑熱など)が含まれる。また非感染症の無菌性髄膜炎には、全身性エリテマトーデス(Systemic lupus erythematosus、SLE)などの自己免疫性疾患に伴うもの、癌性髄膜炎、薬剤性髄膜炎などが含まれる。
- 狭義には上記のうち抗酸菌、真菌、スピロヘータ、リケッチアによるものや、癌性髄膜炎などは無菌性髄膜炎の定義に含めないこともある。またエンテロウイルス属による髄膜炎のみを指すこともある。
- 従って、無菌性髄膜炎と診断する場合は、感染症であれば原因微生物は何なのか、非感染症であれば原因疾患は何なのかを考えることが重要である。
- 臨床症状や病歴だけでは細菌性髄膜炎と無菌性髄膜炎は鑑別が困難であり、通常は髄液検査が必須である。
- 脳炎との鑑別も重要である。脳炎では、一般的には、意識状態の変化や運動・感覚障害、異常行動や発語障害などの脳機能の異常を伴うことが多いとされる。
- 無菌性髄膜炎は5類感染症定点把握疾患に定められており、全国約500カ所の基幹定点から毎週報告が行われている。
診断: >詳細情報 - ポイント:
- 無菌性髄膜炎は多種多様の疾患からなる複合的疾患概念である。…
検査・処方例
※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。
■無菌性髄膜炎の診断評価例
- 診断はアルゴリズムに沿って行う。原則は、発熱、頭痛、項部硬直や意識障害、髄膜刺激症状を認めるなどで髄膜炎を疑った患者では髄液検査を行い、細菌性髄膜炎を除外した後で、無菌性髄膜炎の原因となる個々の疾患の評価を行う。なお評価中も、細菌性髄膜炎を疑う場合は積極的に細菌性髄膜炎の抗菌薬治療を開始する。
- 細菌性髄膜炎の除外の目的で、血液細菌培養検査(通常2セット)、髄液グラム染色・一般細菌培養検査を行う。通常、抗菌薬の前投与がなければ1回髄液培養検査を行い、塗抹・培養陰性で全身症状の重篤感がなければ細菌性髄膜炎を否定的と評価し、無菌性髄膜炎の可能性を考える。
- 頭蓋内圧亢進を念頭に置く必要がある場合は、頭部CTにて頭蓋内圧亢進を除外した後に髄液検査を行う。難治性髄膜炎の場合や他疾患を疑う場合は、造影CTや頭部MRIの評価を追加する。
○ 髄膜炎を疑う場合は、1)~20)の評価を行う。脳圧亢進を疑う場合は腰椎穿刺の前に20)を評価し脳圧亢進を除外する。難治性髄膜炎の場合や他疾患を疑う場合は21)22)を追加する。
疾患のポイント:
- 無菌性髄膜炎とは、発熱、頭痛、項部硬直や意識障害などの髄膜炎症状を認めるが、髄液培養や血液培養で肺炎球菌やインフルエンザ菌などの「細菌性髄膜炎」で一般的に検出される細菌が検出されない状態である。
- 無菌性髄膜炎は単一疾患ではなく、多種多様の疾患が含まれる疾患概念である。例えば感染症による無菌性髄膜炎では原因微生物としてウイルス(コクサッキーウイルスやエコーウイルス、エンテロウイルスなどのエンテロウイルス属、ムンプスウイルス、EBV、CMV、VZV、HIVなど)、抗酸菌(結核菌など)、真菌(クリプトコックスなど)、スピロヘータ(梅毒トレポネーマ、レプトスピラ、ボレリア属など)、リケッチア(ツツガムシや日本紅斑熱など)が含まれる。また非感染症の無菌性髄膜炎には、全身性エリテマトーデス(Systemic lupus erythematosus、SLE)などの自己免疫性疾患に伴うもの、癌性髄膜炎、薬剤性髄膜炎などが含まれる。
- 狭義には上記のうち抗酸菌、真菌、スピロヘータ、リケッチアによるものや、癌性髄膜炎などは無菌性髄膜炎の定義に含めないこともある。またエンテロウイルス属による髄膜炎のみを指すこともある。
- 従って、無菌性髄膜炎と診断する場合は、感染症であれば原因微生物は何なのか、非感染症であれば原因疾患は何なのかを考えることが重要である。
- 臨床症状や病歴だけでは細菌性髄膜炎と無菌性髄膜炎は鑑別が困難であり、通常は髄液検査が必須である。
- 脳炎との鑑別も重要である。脳炎では、一般的には、意識状態の変化や運動・感覚障害、異常行動や発語障害などの脳機能の異常を伴うことが多いとされる。
- 無菌性髄膜炎は5類感染症定点把握疾患に定められており、全国約500カ所の基幹定点から毎週報告が行われている。
診断: >詳細情報
- ポイント:
- 無菌性髄膜炎は多種多様の疾患からなる複合的疾患概念である。…
■無菌性髄膜炎の診断評価例
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無菌性髄膜炎の診断評価例
- 診断はアルゴリズムに沿って行う。原則は、発熱、頭痛、項部硬直や意識障害、髄膜刺激症状を認めるなどで髄膜炎を疑った患者では髄液検査を行い、細菌性髄膜炎を除外した後で、無菌性髄膜炎の原因となる個々の疾患の評価を行う。なお評価中も、細菌性髄膜炎を疑う場合は積極的に細菌性髄膜炎の抗菌薬治療を開始する。
- 細菌性髄膜炎の除外の目的で、血液細菌培養検査(通常2セット)、髄液グラム染色・一般細菌培養検査を行う。通常、抗菌薬の前投与がなければ1回髄液培養検査を行い、塗抹・培養陰性で全身症状の重篤感がなければ細菌性髄膜炎を否定的と評価し、無菌性髄膜炎の可能性を考える。
- 頭蓋内圧亢進を念頭に置く必要がある場合は、頭部CTにて頭蓋内圧亢進を除外した後に髄液検査を行う。難治性髄膜炎の場合や他疾患を疑う場合は、造影CTや頭部MRIの評価を追加する。
○ 髄膜炎を疑う場合は、1)~20)の評価を行う。脳圧亢進を疑う場合は腰椎穿刺の前に20)を評価し脳圧亢進を除外する。難治性髄膜炎の場合や他疾患を疑う場合は21)22)を追加する。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
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すべての医療従事者の皆様に敬意を表します。
人々の健康を守っていただき、ありがとうございます。
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