細菌性髄膜炎

著者: 山元佳 国立国際医療研究センター総合感染症科

監修: 大曲貴夫 国立国際医療研究センター

著者校正/監修レビュー済:2019/10/03

概要・推奨  

  1. jolt accentuationが陰性の場合も、髄膜炎を除外することはおそらく推奨されない(推奨度3、S)。
  1. 細菌性髄膜炎において古典的3徴(発熱、項部硬直、意識障害)が揃わなくとも、細菌性髄膜炎を除外しないことが推奨される(推奨度2、G、S)。
  1. 抗菌薬を開始する前に2セット以上の血液培養を採取することは強く推奨される(推奨度1、J、G)。
  1. 細菌性髄膜炎を疑う患者に腰椎穿刺を行うことは、禁忌がない限り強く推奨される(推奨度1、J、G)。
  1. 細菌性髄膜炎の治療効果判断のための再腰椎穿刺を行うことは、ルーチンには奨められない(推奨度2、J、G)。
  1. 髄液培養陰性で、先行抗菌薬がある場合には、PCR検査を追加することが起因菌推定に有用である(推奨度3、G)。
  1. 細菌性かウイルス性かを見分けるアルゴリズムは一助にはなるが、臨床判断が優先される(推奨度2、G)。
  1. 細菌性髄膜炎を疑う際に、腰椎穿刺施行前に頭部CTをルーチンに施行することはおそらく推奨されない。細胞免疫障害、中枢神経疾患の既往、最近のけいれん、意識障害、神経巣症状、頭蓋内圧亢進症があるときは、髄液検査の前に頭部CTを行うことはおそらく推奨される(推奨度3、J、G)。
  1. 生後1か月までの細菌性髄膜炎の経験的治療には、第3世代セファロスポリンとアンピシリン、あるいはゲンタマイシンとアンピシリンを開始することが奨められ(推奨度1、G)、ESBL産生菌の関与するリスクの高い患児ではカルバペネム系抗菌薬とアンピシリンを併用することが奨められる(推奨度2)。
  1. 市中発症の生後1か月未満の児における細菌性髄膜炎の経験的治療において、バンコマイシンの併用を考慮してもよい(推奨度3)。
  1. 生後1か月~23か月までの小児に対する細菌性髄膜炎の経験的治療には、第3世代セファロスポリンとバンコマイシンを開始することが奨められる(推奨度1、G)。
  1. 免疫不全がない2歳以上の小児・成人の細菌性髄膜炎の経験的治療には、第3世代セファロスポリンとバンコマイシンを開始するよう強く奨められる(推奨度1、G)。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 日本国内の細菌性髄膜炎ガイドライン(2014)の内容についてレビューを行った。
  1. 米国感染症学会の医療関連髄膜炎、脳室炎の治療ガイドライン(2017)の内容についてレビューを行った。
  1. 欧州臨床微生物学会ガイドライン(2016)についてのレビューを行った。


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