細菌性髄膜炎 :トップ    
監修: 細川直登 亀田総合病院
岡 秀昭 JCHO東京高輪病院感染症内科

概要

疾患のポイント:
  1. 細菌性髄膜炎とは、クモ膜下腔の髄液内に細菌が侵入して炎症を引き起こす疾患である。
  1. 内科緊急疾患であり、迅速な治療開始が必要である。肺炎球菌、インフルエンザ桿菌、髄膜炎菌が原因の約75~80%を占め、成人では肺炎球菌が最も多い。近年日本でも、インフルエンザ菌bワクチン(hib)の導入が開始されて、インフルエンザ菌の髄膜炎は減少した。細菌性髄膜炎とウイルス性髄膜炎を臨床的に区別することはしばしば困難である。
  1. 細菌性髄膜炎のうち、髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌に起因する場合は、侵襲性感染症として、感染症法の5類感染症(医師による届け出)に分類され、診断した医師は、7日以内に最寄の保健所に届け出る必要がある。また、その他の菌に起因する細菌性髄膜炎は、感染症法の5類感染症定点把握疾患に定められており、全国約500カ所の基幹定点から毎週報告がなされている。また、髄膜炎菌性髄膜炎は学校保健安全法で第二種感染症に指定されており、「病状により学校医等において感染のおそれがないと認めるまで」を出席停止の期間の基準としている。
 
診断: >詳細情報 
  1. 細菌性髄膜炎を疑う場合は、速やかに髄液検査を行い、髄液グラム染色で細菌が確認され、髄液培養で細菌が確認されれば診断となる。
  1. 緊急疾患のため、細菌性髄膜炎が疑われれば、髄液結果を待つことなく経験的治療を開始しなくてはならない。診断と治療のプロセスを同時進行で、以下のように行うとよい。
  1. 1:人手を集めて気道、血管を確保し、敗血症ガイドラインに準じた呼吸循環管理を開始する。
  1. 2:血液培養を2セット採取する。
  1. 3:ステロイド、抗菌薬の投与を開始する。
  1. 4: 免疫不全症の既往、意識障害、うっ血乳頭や神経巣症状を認める場合は、頭部CT検査を行う(必ずしもルーチンに検査する必要はないが、特に頭蓋内圧亢進を疑う場合は、腰椎穿刺前に評価を行う)。
  1. 5:腰椎穿刺を行う。
  1. 髄液検査では初圧、細胞数と細胞分画、糖、蛋白、グラム染色、培養を評価する。また、必要に応じて免疫不全リスク評価のためHIV…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時検査例
  1. 細菌性髄膜炎が疑われれば、人手を集めて気道、血管を確保し、敗血症ガイドラインに準じた呼吸循環管理を開始する。
  1. まず血液培養を2セット採取する。次いでステロイド、抗菌薬の投与を開始し、必要なら頭部CT検査を行う(必ずしもルーチンに検査する必要はない)。その後、腰椎穿刺を行う。
  1. 髄液検査では初圧、細胞数と細胞分画、糖、蛋白、グラム染色、培養を必ず調べる。
  1. 感染症検査として、免疫不全リスク評価のためHIV検査、無菌性髄膜炎の原因となる梅毒の検査、HSV-PCR検査、髄液クリプトコッカス抗原検査、墨汁染色検査を、必要なら行う。
○ 細菌性髄膜炎を疑った場合は、上記の方針に従い下記の検査を行う。1)-5)、8)-10)、12)-15)はルーチンで検査を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)

細菌性髄膜炎診断と治療の流れ
細菌性髄膜炎の各原因菌の初期治療
細菌性髄膜炎の経験的治療
細菌性髄膜炎治療の推奨抗菌薬投与量
細菌性髄膜炎の標的治療
著者校正/監修レビュー済
2015/08/31


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