急性咳嗽 :トップ    
監修: 野口善令 名古屋第二赤十字病院
吉藤歩 東京都済生会中央病院 腎臓内科

概要

症状のまとめ:
  1. 咳嗽は3週間未満の急性咳嗽、3週間以上8週間未満の亜急性咳嗽、8週間以上の慢性咳嗽に分類される。急性咳嗽は、持続期間が3週間未満の咳である。
 
緊急対応: >詳細情報 
  1. 緊急で加療が必要な疾患としては、虚脱率の高い気胸、緊張性気胸、重症肺炎、重症心不全、肺血栓塞栓症が挙げられる。それぞれの診断、症状に従い治療する。
 
症状治療・診断的治療: >詳細情報 
  1. 緊急で加療を要する疾患が除外され、最も頻度が高い感染性疾患が疑われる場合には、鎮咳薬を考慮してもよい。しかし、湿性咳嗽に対する中枢性鎮咳薬の使用は痰の排出を抑制し、感染症を増悪させる危険があるので注意を要する。
 
専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. 気胸、特に虚脱率の高い気胸、緊張性気胸の場合、心不全、抗酸菌感染症の場合はそれぞれの専門医に紹介する。
  1. 咳嗽が持続し原因不明の場合には、呼吸器内科に紹介する。
 
診断へのアプローチ:(診察: >詳細情報 ・アルゴリズム:アルゴリズム
  1. 問診では、「喀痰の有無」「症状悪化のタイミング」「体位による症状変化」「季節性」「ペットを含む家庭環境や仕事環境」「喫煙の有無」「喫煙歴」「アレルギー歴」を確認する。喀痰を認めない乾性咳嗽を起こす疾患は、咳喘息、ACE阻害薬、肺血栓塞栓症であり、喀痰を認める湿性咳嗽を起こす疾患としては下気道感染、心不全などが挙げられる。
  1. 「結核・マイコプラズマ・百日咳」に対する接触歴、家族歴や、ACE阻害薬やβ遮断薬の内服歴を確認する。
  1. 診察では、呼吸回数や脈拍、SpO2のチェック、呼吸音(強制呼気)での喘鳴の有無、III音の有無は特に重要である。
 
鑑別疾患:(鑑別疾患のリスト: 鑑別疾患 )
  1. 最も頻度が高い原因はウイルス性上気道炎(風邪症候群)であり、ほとんどは自然軽快する。
  1. その他の頻度の高い原因には、後鼻漏による上気道咳症候群、肺炎がある。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

急性咳嗽の評価例
  1. 上気道症状に乏しい患者、心疾患、血栓の既往、結核の既往や周囲に結核の罹患者がいる場合には、頻度が低いがリスクの高い疾患も考慮する必要がある。
○ 下記を鑑別疾患に合わせ適宜行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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急性咳嗽診断のフォローチャート
頻度の多い遷延性・慢性咳嗽の原因疾患の治療的診断
著者校正/監修レビュー済
2017/01/26