今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 吉田和道1) 滋賀医科大学脳神経外科

著者: 宮本享2) 京都大学医学部附属病院 脳卒中療養支援センター・もやもや病支援センター

監修: 甲村英二 公立学校共済組合 近畿中央病院

著者校正/監修レビュー済:2023/06/22
参考ガイドライン:
  1. 日本脳卒中学会:脳卒中治療ガイドライン 2021
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 脳卒中治療ガイドライン2021に基づき、脳動脈瘤の診断、未破裂脳動脈瘤を経過観察する場合の対応、および予防的外科治療の適応判断について加筆した。
  1. 未破裂脳動脈瘤の診断は、カテーテル法によるDSA: digital subtraction angiographyおよびその3次元血管撮影像がゴールドスタンダードである。3D-CTA:3次元ヘリカルコンピュータートモグラフィー、MRA:magnetic resonance angiographyなどは低侵襲な代替え診断法として未破裂脳動脈瘤の診断および治療に用いることが妥当である。
  1. 親子・兄弟2人以上に脳動脈瘤の既往がある場合(特に女性、喫煙、高血圧の既往がある場合)や、多発性嚢胞腎を有する患者では、脳動脈瘤のスクリーニングを行うことは妥当である。
  1. 開頭手術や血管内治療などの外科的治療を行わず経過観察する場合は、喫煙・大量の飲酒を避け、規則的な運動習慣を勧奨し、高血圧を治療する。
  1. 未破裂脳動脈瘤に対する予防的外科治療の適応判断の1つに、③増大傾向にある未破裂脳動脈瘤を追加した。
  1. 頭蓋内動脈ステント(脳動脈瘤治療用 Flow Diverter)適正使用指針 第 3 版に基づき、Flow Diverterの適応について加筆した。ただし、PipelineとFREDのいずれも、破裂急性期は適応外であることに注意が必要である。
  1. Pipeline:後交通動脈分岐部より近位の内頚動脈に位置する最大径10 mm以上のワイドネック型脳動脈瘤(破裂急性期を除く)であったが、内頚動脈の床上部および椎骨動脈が対象部位に加わり、最大径5 mm以上のワイドネック型脳動脈瘤に適応が拡大
  1. FRED:内頚動脈の錐体部から中大脳動脈と前大脳動脈の近位部、脳底動脈及び椎骨動脈に位置する、外科的手術やコイル塞栓術での治療が困難な、最大瘤径が5 mm以上、かつワイドネック型脳動脈瘤

概要・推奨   

  1. 未破裂脳動脈瘤の診断は、カテーテル法によるDSA:digital subtraction angiographyおよびその3次元血管撮影像がゴールドスタンダードである。3D-CTA:3次元ヘリカルコンピュータートモグラフィー、MRA: magnetic resonance angiographyなどは低侵襲な代替え診断法として未破裂脳動脈瘤の診断および治療に用いることが妥当である(推奨度1、J)
  1. 親子・兄弟2人以上に脳動脈瘤の既往がある場合(特に女性、喫煙、高血圧の既往がある場合)や、多発性嚢胞腎を有する患者では、脳動脈瘤のスクリーニングを行うことは妥当である(推奨度2、J)
  1. 未破裂脳動脈瘤が発見された場合の初期対応
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
吉田和道 : 特に申告事項無し[2024年]
宮本享 : 講演料(ファイザー(株),第一三共(株))[2024年]
監修:甲村英二 : 特に申告事項無し[2024年]

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