今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 吉田和道1) 滋賀医科大学脳神経外科

著者: 宮本享2) 京都大学医学部附属病院 脳卒中療養支援センター・もやもや病支援センター

監修: 甲村英二 公立学校共済組合 近畿中央病院

著者校正/監修レビュー済:2024/12/25
参考ガイドライン:
  1. 日本脳卒中学会:脳卒中治療ガイドライン 2021[改訂2023]
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 『脳卒中治療ガイドライン 2021 [改訂2023]』に基づいて修正した。
  1. 治療方針の決定に際し、十分なインフォームド・コンセントを経るべきである点について、推奨度が上がった。

概要・推奨   

  1. 未破裂脳動脈瘤の診断は、カテーテル法によるDSA:digital subtraction angiographyおよびその3次元血管撮影像がゴールドスタンダードである。3D-CTA:3次元ヘリカルコンピュータートモグラフィー、MRA: magnetic resonance angiographyなどは低侵襲な代替え診断法として未破裂脳動脈瘤の診断および治療に用いることが妥当である(推奨度1、J)
  1. 親子・兄弟2人以上に脳動脈瘤の既往がある場合(特に女性、喫煙、高血圧の既往がある場合)や、多発性嚢胞腎を有する患者では、脳動脈瘤のスクリーニングを行うことは妥当である(推奨度2、J)
  1. 未破裂脳動脈瘤が発見された場合の初期対応
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 未破裂脳動脈瘤とは、破裂した形跡のない脳動脈瘤である(<図表><図表><図表>)。発見の契機により、症候性と無症候性に分類される。
 
ブレブを有する未破裂中大脳動脈瘤

a:正面からみたMRA。右・中大脳動脈分岐部に6×11 mm大の動脈瘤を認める。
b:右・内頚動脈造影(3-D DSA)。ドームの先端から内側に突出するブレブ(→)を認める。
c:右・前頭側頭開頭によるクリッピング術の術中写真。動脈瘤のブレブ(→)は、動脈瘤壁も薄く内部の血流が透見できる状態で、破裂リスクの高い動脈瘤であった可能性を示唆している。

出典

著者提供
 
右・内頚動脈‐後交通動脈分岐部にできた巨大動脈瘤

a:上方からみたCTA。左・内頚動脈‐後交通動脈分岐部にも4 mm大の動脈瘤がある。
b:MRI T2強調像では、瘤内がflow voidとして描出され、瘤内血栓は伴わない。
c:右・内頚動脈造影(3D-DSA)では、動脈瘤頚部付近から分枝する後交通動脈(→)が明瞭に描出されている。

出典

著者提供
 
多発性脳動脈瘤

上方からみた頭部CTA。3個の未破裂脳動脈瘤が認められる。右・内頚動脈‐後交通動脈分岐部動脈瘤(1)、右・中大脳動脈分岐部動脈瘤(2, 3)

出典

著者提供
 
  1. 症候化の原因として最も重要な破裂のほかに、瘤による神経圧迫症状や瘤内血栓による脳塞栓症などがある。
  1. MR血管造影法(MRA)やCT血管造影法(CTA)の普及により、未破裂脳動脈瘤が発見される機会は増加している。
 
  1. 成人の未破裂脳動脈瘤の有病率は2~5%程度と推測される。
  1. 対象とする母集団と調査方法により未破裂脳動脈瘤の有病率に関する報告にはかなりの違いがある。日本における久山町研究の前向きに観察した1,230例の剖検例による調査では、2.2%に未破裂脳動脈瘤が発見された[1]。年齢とともに有病率は上昇し、70歳以上の高齢者においては、7~14%程度との報告がある[2]
  1. 未破裂脳動脈瘤発生のハイリスク患者として、クモ膜下出血の既往、結合組織病の合併(多発性嚢胞腎、線維筋形成不全、Ehlers-Danlos IV型、Marfan症候群など)、家族歴などが報告されている。クモ膜下出血の精査中に多発性動脈瘤として未破裂脳動脈瘤が発見される頻度は、20~30%とされる[3]。多発性嚢胞腎患者の未破裂脳動脈瘤合併率は10%程度と報告されている[4]。家族性脳動脈瘤については、2親等以内にクモ膜下出血の家族歴をもつ健常者の13.9%に[5]、さらに、1親等以内の同胞では一般の4倍の頻度で未破裂脳動脈瘤が発見される[6]
 
  1. 未破裂脳動脈瘤の破裂率
  1. 一般的に日本における5 mm以上の未破裂動脈瘤の年間破裂率は1%前後と考えられている[7][8][1]
  1. 大きさ・形状・部位などにより破裂の危険性は異なる。
  1. 破裂リスクの高い動脈瘤:大きい動脈瘤、症候性の脳動脈瘤、不規則な瘤の形状・ブレブの存在、Dome-Neck Aspect比の高いもの、前交通動脈瘤、内頚動脈‐後交通動脈一部、大きな脳底動脈瘤、高齢者、女性、多発性、クモ膜下出血の既往、喫煙 など[9][10][11][12][13][14][15][16][17][18]
  1. 現在までに未破裂脳動脈瘤の破裂率に関するレベルの高い十分なエビデンスは蓄積されていない。
  1. 欧米の53施設で行われた国際未破裂脳動脈瘤研究(ISUIA)では1998年にその中間報告がなされ、さらに2003年に前向き(prospective)データの報告が追加されている[12]。破裂率について、前向き経過観察(1,692症例、2,686瘤・平均4.1年、6,544人・年)では、クモ膜下出血の既往のない群(Group1)における瘤7 mm以下の未破裂脳動脈瘤のうち、A群(内頚動脈、前交通動脈、中大脳動脈瘤)では5年間に0%、P群(椎骨脳底動脈瘤と内頚動脈-後交通動脈瘤)では2.5%(年間0.5%)、破裂脳動脈瘤に合併した群(Group2)において、では、A群1.5%(年間0.3%)、P群3.4%(年間0.7%)であった。サイズがより大きな脳動脈瘤ではグループ間での差は明らかではなく、7~12 mmではA群2.6%(年間0.5%)、P群14.5%(年間2.9%)、13~2 4 mmではA群14.5%(年間2.9%)、P群18.4%(年間3.7%)、2 5 mm以上ではA群40%(年間8%)、P群50%(年間10%)であった。5年間死亡率は12.7%で破裂を認めた51例中33例(65%)が死亡した。
  1. 未破裂脳動脈瘤の頻度に関して人種別の差はいまだ明らかではない。しかしクモ膜下出血発症率はフィンランドと日本において他の地域よりも高いとされているため、未破裂脳動脈瘤の破裂率が人種別で異なる可能性もある。Wermerらのメタ解析(19論文より4,795患者、2万6,122人・年)では、未破裂脳動脈瘤の年間破裂率は5年以下の観察で1.2%、5~10年で0.6%、10年以上で1.3%と経過観察年数で破裂率がやや異なり、サイズによっても異なり5 mm以下でも0.5%、5~10 mmで1.2%、1 0 mm以上で1.5%であった。有意差をもつ因子は、5 mm以上の大きさ、後方循環、症候性、また日本およびフィンランドの研究であった[16][19]
  1. 日本の大規模前向き研究(UCAS Japan)によれば、3 mm以上の動脈瘤全体の平均年間破裂率は、0.95%であった。大きさとともに破裂率は上昇し、5 mm未満の動脈瘤(年間破裂率:0.36%)よりも7~9 mmの動脈瘤の破裂率は3.35倍に上昇する。部位別では前交通動脈瘤と後交通動脈瘤の破裂率が高く、形状に関してはブレブを有する瘤の破裂率が高かった[20]
  1. UCAS Japanのデータを基に、日本人の未破裂脳動脈瘤の破裂リスクを予測するための、UCASスコアが提唱されている[21]。破裂危険因子として、年齢・性別・高血圧の有無・大きさ・部位・ブレブの有無を基に点数化し(0~15点)、3年内の破裂リスクを4段階に分類している。UCASスコアの自動計算式は未破裂脳動脈瘤情報サイトU-infoに登録されている。米倉らは5 mm未満の小型未破裂脳動脈瘤を全例(329例・380病変)、前向きに観察するSUAVe研究を行っており、375人・年の経過観察で3人に破裂(0.8%/年 95%CI:0.2-3%)、18病変(4.7%)に2 mm以上の拡大が認められたと報告している。拡大や破裂に関与する因子として多発性・女性・70歳以上の高齢、部位として前交通動脈瘤および脳底動脈瘤を挙げている[22]
  1. その他、未破裂脳動脈瘤に関するわが国の研究結果として、年間破裂率については1.9~2.7%となっており、サイズが大きいもの、後方循環、症候性、多発性および多房性の形状などが破裂のリスクが高い因子であるという報告がある一方で、合併疾患や瘤の部位による破裂率の差は認めないとする報告もある[13][14][15]
問診・診察のポイント  
  1. 症候性未破裂脳動脈瘤では、内頚動脈後交通動脈分岐部動脈瘤における動眼神経麻痺(一側眼瞼下垂)など、圧迫症状が瘤の急速な増大すなわち切迫破裂を意味する場合がある。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
吉田和道 : 特に申告事項無し[2024年]
宮本享 : 講演料(ファイザー(株),第一三共(株))[2024年]
監修:甲村英二 : 特に申告事項無し[2024年]

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