今日の臨床サポート

抗がん剤の血管外漏出への対応

著者: 野口瑛美1) 国立がん研究センター中央病院

著者: 小室泰司2) がん・感染症センター都立駒込病院

監修: 高野利実 がん研有明病院 乳腺内科

著者校正/監修レビュー済:2022/03/02
参考ガイドライン:
  1. 日本がん看護学会:外来がん化学療法看護ガイドライン1 抗がん剤の血管外漏出およびデバイス合併症の予防・早期発見・対処 2014年版
  1. ESMO Guidelines Working Group:Management of chemotherapy extravasation: ESMO–EONS Clinical Practice Guidelines 2012
患者向け説明資料

概要・推奨   

  1. 抗がん剤の血管外漏出は予防がきわめて重要であり、血管確保を確実に行うようにする(推奨度1 JG)
  1. 血管外漏出が起きた場合には迅速に対応できるよう、抗がん剤投与中は投与部位の注意深い観察を行う。症状を自覚した場合は速やかに伝えるよう患者指導を行う(推奨度2 JG)
  1. 血管外漏出に対して、高いエビデンスレベルをもって推奨される治療は乏しい。従来実施されることが多かった患部の冷罨法や温罨法、ステロイドの局所投与、患肢挙上はガイドラインでは推奨されていない(-表記なし)。
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
野口瑛美 : 未申告[2022年]
小室泰司 : 未申告[2022年]
監修:高野利実 : 講演料(第一三共,日本イーライリリー,中外製薬)[2022年]

改訂のポイント:
  1. 外来がん化学療法看護ガイドラインに基づき、推奨される治療について改訂を行った。

病態・疫学・診察

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 静脈内投与中の抗がん剤が血管外に漏出し、周囲組織に拡散することを抗がん剤の血管外漏出 (extravasation) と呼ぶ。抗がん剤の血管外漏出により、周囲の軟部組織に障害を起こし得る。
  1. 組織障害の程度は、漏出した抗がん剤の種類によって異なり、起壊死性抗がん剤 (vesicant drug)、炎症性抗がん剤 (irritant drug)、非壊死性抗がん剤 (non-vesicant drug) に分類される。起壊死性抗がん剤 (vesicant drug) では、少量の血管外漏出でも重篤な皮膚壊死や潰瘍形成などを引き起こすことがある。
  1. 抗がん剤の血管外漏出は医原性の有害事象であり、予防がきわめて重要である。抗がん剤の血管外漏出を診断した際には、漏出を最小限にとどめるために迅速に対応する必要がある。
問診・診察のポイント  
  1. 抗がん剤投与中に、穿刺部位周囲に発赤、腫脹などの変化や疼痛、灼熱感、圧迫感などの自覚症状がみられる場合には、血管外漏出を疑う。

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文献 

J A Pérez Fidalgo, L García Fabregat, A Cervantes, A Margulies, C Vidall, F Roila, ESMO Guidelines Working Group
Management of chemotherapy extravasation: ESMO-EONS Clinical Practice Guidelines.
Ann Oncol. 2012 Oct;23 Suppl 7:vii167-73. doi: 10.1093/annonc/mds294.
Abstract/Text
PMID 22997449

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