今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 鈴木巌 すずき矯正歯科

監修: 近津大地 東京医科大学

著者校正/監修レビュー済:2023/05/24
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 症例写真をあらたに掲載した。
  1. 日本矯正歯科学会が発行する「矯正歯科治療における標準治療の指針」から、不正咬合の治療における顎と歯の形態に起因する問題、矯正歯科治療によって生じる併発症とリスクについてとくに重要な内容の一部を抜粋し掲載した。
  1. 冒頭の概要・推奨について改訂後の内容元に追記を行った。

概要・推奨   

  1. 不正咬合(malocclusion)は正常咬合(normal occlusion)から外れたものとして捉えられる。
  1. 不正咬合がもたらす直接的な疾患(歯周疾患、う蝕、歯根歯根、外傷など)の誘因となるほかに、機能障害(咀嚼機能、歯列や顎の成長発育、発音、筋機能)と心理的障害がある。
  1. 遺伝的原因と環境的原因(先天的原因と後天的原因)に分けられる。個々の患者における不正咬合の原因を追究することは、診断・治療方針を確立するうえで必須である。
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 不正咬合は医科における疾病の範疇に属さないものがある。
  1. 不正咬合は歯学の一分野である歯科矯正学において扱われ、その改善は矯正歯科治療によって行われる。
  1. 歯科矯正学は顎顔面・歯列の成長発育を伴う学問である。
  1. 診断は歯の模型、顔面写真、口腔内写真、パノラマX線写真(<図表>)、デンタルX線写真、正面・側面頭部X線規格写真(<図表>)、顎や筋の機能検査などの資料をもとに分析して行う。最近では、CT、CBCT、デジタル画像が普及しつつあり、ハイテク(高度科学技術)によって模型や装置の製作などが可能となってきている。
 
パノラマX線写真

永久歯列が完成した15歳の女性のパノラマX線写真。
永久歯と乳歯の交換状況や歯根の形成状態、第3臼歯(智歯)の有無等を確認することができる。

出典

著者提供
 
側面頭部X線規格写真

永久歯列が完成した15歳の情勢のパノラマX線写真。
頭蓋と上下顎骨の位置の分析を行うことができる。また、定期的に撮影を行い顎骨の発育の分析にも利用することができる。

出典

著者提供
 
  1. 不正咬合には叢生(<図表>)、上顎前突、前歯部反対咬合、開咬(<図表>)、下顎前突(<図表> <図表>)、過蓋、交叉咬合などの種類がある。
 
叢生治療

a:叢生治療前
b:叢生治療後
14歳の女性でマルチブラケット装置により治療を行った。上下顎左右側第1小臼歯抜歯症例である。動的治療期間25カ月を要する。

出典

著者提供
 
開咬治療

a:開咬治療前
b:開咬治療後
19歳の男性でマルチブラケット装置により治療を行った。非抜歯治療症例である。動的治療期間21カ月を要する。

出典

著者提供
 
下顎前突治療

a:下顎前突治療前
b:下顎前突治療後
22歳の女性でマルチブラケット装置による治療例、非抜歯治療症例である。動的治療期間18カ月を要する。

出典

著者提供
 
外科手術前のセファロメトリックプレディクション

トレーシングペーパーに側面頭部X線規格写真の分析ポイントのトレーシングを行い、外科手術での移動を想定する。赤線部分が手術による移動の予測である。

出典

著者提供
 
  1. 不正咬合の改善目標は顔の審美、健全な歯周組織、咀嚼機能の回復、口腔機能障害の除去、正常な顎・顔・歯列の発育である。最近、審美歯科が謳われているが、いわゆる美容整形の範疇ではない。
  1. 不正咬合を改善する矯正装置には固定式(マルチブラケット装置など)、可撤式(バイオネーターなど)があり、個々の患者に合わせて選択される。
 
マルチブラケット装置

12歳、女性。マルチブラケット装置セット後18カ月目。

出典

著者提供
 
  1. 矯正歯科治療の開始時期は患者ごとによって異なる。
  1. 矯正歯科治療を専門に行う標榜として「矯正歯科」が認可されている。
  1. 日本矯正歯科学会は日本歯科医学会の一分科で認定医、指導医、および専門医の制度を設けている。
  1. 国の定める疾患に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療および顎矯正手術(顎の外科手術)を要する顎変形症の手術前および手術後の矯正歯科治療に対して指定機関において保険が適用される。
 
  1. 顎変形症の矯正歯科治療が保険適用される<国の定める先天疾患>
  1. 下記の国の定める疾患に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療および顎の外科手術を要する顎変形症の手術前および手術後の矯正歯科治療に対して指定機関において保険が適用される。
  1. 顎口蓋裂、ゴールデンハー症候群(鰓弓異常症を含む。)、鎖骨頭蓋骨異形成、トリーチャ・コリンズ症候群、ピエール・ロバン症候群、ダウン症候群、ラッセル・シルバー症候群、ターナー症候群、ベックウィズ・ウイーデマン症候群、顔面半側萎縮症、先天性ミオパチー、筋ジストロフィー、脊髄性筋委縮症、顔面半側肥大症、エリス・ヴァンクレベルド症候群、軟骨形成不全症、外胚葉異形成症、神経線維腫症、基底細胞母斑症候群、ヌーナン症候群、マルファン症候群、プラダー・ウィリー症候群、顔面裂(横顔裂、斜顔裂及び正中顔裂を含む。)、大理石骨病、色素失調症、口腔・顔面・指趾症候群、メビウス症候群、歌舞伎症候群、クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群、ウイリアムズ症候群、ビンダー症候群、スティックラー症候群、小舌症、頭蓋骨癒合症(クルーゾン症候群及び尖頭合指症を含む。)、骨形成不全症、フリーマン・シェルドン症候群、ルビンスタイン・ティビ症候群、染色体欠失症候群、ラーセン症候群、濃化異骨症、6歯以上の先天性部分無歯症、CHARGE症候群、マーシャル症候群、成長ホルモン分泌不全性低身長症、ポリエックス症候群(XXX症候群、XXXX症候群及びXXXXX症候群を含む。)、リング18症候群、リンパ管腫、全前脳胞症、クラインフェルター症候群、偽性低アルドステロン症、ソトス症候群、グリコサミノグリカン代謝障害(ムコ多糖症)、線維性骨異形成症、スタージ・ウェーバ症候群、ケルビズム、偽性副甲状腺機能低下症、Ekman-Westborg-Julin症候群、常染色体重複症候群
  1. その他顎・口腔の先天異常
  1. 「その他顎・口腔の先天異常」とは、顎・口腔の奇形、変形を伴う先天性疾患であり、当該疾患に起因する咬合異常について、歯科矯正の必要性が認められる場合に、その都度当局に内議の上、歯科矯正の対象とすることができる
 

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文献 

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
鈴木巌 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:近津大地 : 特に申告事項無し[2024年]

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