今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 片山充哉 独立行政法人国立病院機構東京医療センター

監修: 細川直登 亀田総合病院

著者校正済:2023/11/08
現在監修レビュー中
参考ガイドライン:
  1. 米国感染症学会(IDSA): Infectious Diseases Society of America 2023 Guidance on the Treatment of Antimicrobial Resistant Gram-Negative Infections.
  1. IDSA、米国医療疫学学会(SHEA):Implementing an Antibiotics stewardship program: guidelines by the Infectious Diseases Society of America and the Society of Healthcare Epidemiology of America(2016)
  1. IDSA、米国微生物学会(ASM):A Guide to Utilization of the Microbiology Laboratory for Diagnosis of Infectious Diseases: 2018 Update by the Infectious Diseases Society of America and the American Society for Microbiology
  1. 欧州臨床微生物感染症学会(ESCMID):European Society of Clinical Microbiology and Infectious Diseases (ESCMID) guidelines for the treatment of infections caused by multidrug-resistant Gram-negative bacilli (endorsed by European society of intensive care medicine)(2022)
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 米国感染症学会(IDSA)ガイドライン「Infectious Diseases Society of America 2023 Guidance on the Treatment of Antimicrobial Resistant Gram-Negative Infections」および欧州臨床微生物感染症学会(ESCMID)ガイドライン「European Society of Clinical Microbiology and Infectious Diseases (ESCMID) guidelines for the treatment of infections caused by multidrug-resistant Gram-negative bacilli (endorsed by European society of intensive care medicine)(2022)」を参考にレビューを行い、「抗菌薬耐性について」の項を修正した(大きな変更なし)。
  1. また、日本化学療法学会の「抗菌薬 TDM 臨床実践ガイドライン 2022」および米国医療システム薬剤師会(AJHSP)の「Therapeutic monitoring of vancomycin for serious methicillin-resistant Staphylococcus aureus infections(2022)」に基づき、バンコマイシン投与に関して修正を行った。下記、加筆内容である。
  1. 従来バンコマイシン投与量の設定は血中トラフ値を目標に投与されてきたが、近年AUC(Area under the curve)を算出し投与設計を行うことが推奨されている(Rybak MJ, et al. Am J Health Syst Pharm. 2020 May 19;77(11):835-864.)。

概要・推奨   

感染症総論のポイント:
  1. 経験的治療の際の抗菌薬の選択は、感染臓器/臨床診断による微生物の推定により決定される。抗菌薬の選択を行うときに考慮すべき要素として大切なものは、感染臓器の同定による起因菌の想定、患者背景因子、および抗菌薬の特性、副作用が挙げられる。
  1. 広域に開始した経験的治療は、漫然と継続するべきではない。培養結果/微生物診断が出た後、速やかにDe-escalationを行い最適治療に切り替える。1つの感染治療において抗菌薬の選択は、治療を開始する際の経験的治療の選択と培養結果が出た後の最適治療の選択の2回行う(表)。
  1. 適切な検体採取、微生物検査室との密な連携が適切な感染症診療を進めるにあたり大切である。グラム染色は起因菌の推定などに有用であり染色・評価できるようになるよう推奨する。
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
片山充哉 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:細川直登 : 未申告[2024年]

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