今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 松浦誠 岩手医科大学 薬学部 臨床薬学講座 地域医療薬学分野

監修: 中原 保裕 (有)ファーマシューティカルケア研究所

著者校正/監修レビュー済:2023/09/27
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、下記の点を加筆・修正した。
  1. 各論 ステロイド薬の臨床適応について表として示した。
  1. 剤形と特徴について表として示した。
 

概要・推奨   

  1. ステロイド薬の臨床での使用に関しては、その適応となる疾患ごとのガイドラインが多数公表されているので詳細についてはそれらを参照されることをおすすめする。
  1. ここではステロイド薬の有する生理的作用や、どのような疾患に用いられるか、また、ステロイド薬の使用に際し、基本的な考え方を中心に述べる。
 
参考コンテンツ:
  1. ステロイドの副作用
アカウントをお持ちの方はログイン
  1. 閲覧にはご契約が必要とな ります。閲覧にはご契約

総論 

ステロイド薬の基本的な薬理作用  
  1. 一般的に「ステロイド」と呼ばれているものは、副腎皮質ホルモンの中の糖質コルチコイドに分類されているものである。この物質の生理作用は多岐にわたっているが、主なものは次のようなものである。
  1. 代謝作用
  1. 糖代謝
  1. 肝グリコーゲン生成
  1. 糖新生促進
  1. アミノ酸代謝     
  1. 異化作用促進
  1. 脂肪代謝       
  1. 脂肪分解促進
  1. コレステロール合成促進
  1. 水分・電解質代謝
  1. 鉱質コルチコイド
  1. 降圧ホルモン活性低下
  1. 骨・カルシウム代謝
  1. 腸管からのカルシウム吸収抑制
  1. 尿中へのカルシウム排泄促進
  1. 骨芽細胞産生抑制
  1. アポトーシス促進
  1. 抗炎症・抗アレルギー作用
  1. アラキドン酸代謝物生成抑制
  1. サイトカイン産生抑制
  1. 肥満細胞での脱顆粒抑制
  1. 免疫抑制作用
  1. TおよびBリンパ球機能低下
  1. マクロファージ リンパ球減少
  1. サイトカイン産生抑制
  1. 抗体産生抑制(αグロブリン低下)
  1. 中枢神経刺激作用
  1. シナプスでの神経伝達潜伏時間延長
  1. BBバリアの透過性変化
  1. 脳代謝系障害誘発
  1. 胃液分泌促進作用
  1. 男性ホルモン様作用
  1. 下垂体機能抑制作用
  1. 抗ショック・生命維持作用
  1. 血液凝固促進作用
 
ステロイド薬の主な適応症

出典

中原保裕:処方がわかる医療薬理学2022-2023.学研メディカル秀潤社、2022.p173 表19

各論 

ステロイド薬の剤形と各製剤の特徴  
経口剤

出典

筆者提供
 
皮膚などに適用する製剤(半固形製剤)

出典

筆者提供
 
注射により投与する製剤

出典

筆者提供
 
目に投与する製剤

出典

筆者提供
 
直腸に適用する製剤

出典

筆者提供
 
吸入剤

出典

筆者提供
ステロイド外用薬の力価比較  
  1. 外用薬は、各ステロイド薬の有する効果から5段階に分類される。

これより先の閲覧には個人契約のトライアルまたはお申込みが必要です。

最新のエビデンスに基づいた二次文献データベース「今日の臨床サポート」。
常時アップデートされており、最新のエビデンスを各分野のエキスパートが豊富な図表や処方・検査例を交えて分かりやすく解説。日常臨床で遭遇するほぼ全ての症状・疾患から薬剤・検査情報まで瞬時に検索可能です。

まずは15日間無料トライアル
本サイトの知的財産権は全てエルゼビアまたはコンテンツのライセンサーに帰属します。私的利用及び別途規定されている場合を除き、本サイトの利用はいかなる許諾を与えるものでもありません。 本サイト、そのコンテンツ、製品およびサービスのご利用は、お客様ご自身の責任において行ってください。本サイトの利用に基づくいかなる損害についても、エルゼビアは一切の責任及び賠償義務を負いません。 また、本サイトの利用を以て、本サイト利用者は、本サイトの利用に基づき第三者に生じるいかなる損害についても、エルゼビアを免責することに合意したことになります。  本サイトを利用される医学・医療提供者は、独自の臨床的判断を行使するべきです。本サイト利用者の判断においてリスクを正当なものとして受け入れる用意がない限り、コンテンツにおいて提案されている検査または処置がなされるべきではありません。 医学の急速な進歩に鑑み、エルゼビアは、本サイト利用者が診断方法および投与量について、独自に検証を行うことを推奨いたします。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
松浦誠 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:中原 保裕 : 原稿料(学研)[2024年]

ページ上部に戻る

ステロイド(薬理)

戻る