今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 櫻井晃洋 札幌医科大学医学部 遺伝医学

監修: 平田結喜緒 公益財団法人 兵庫県予防医学協会 健康ライフプラザ

著者校正/監修レビュー済:2024/02/07
参考ガイドライン:
  1. 多発性内分泌腫瘍症診療ガイドブック編集委員会編:多発性内分泌腫瘍症診療ガイドブック(2013)
  1. 日本神経内分泌腫瘍研究会(JNETS)編:膵・消化管神経内分泌腫瘍(NEN)診療ガイドライン 2019年版
  1. Thakker RV, et al:MEN1臨床プラクティスガイドライン(Clinical practice guidelines for multiple endocrine neoplasia type 1 (MEN1). (2012))
  1. 米国甲状腺学会(American Thyroid Association:ATA):甲状腺髄様癌診療ガイドライン(Revised American Thyroid Association guidelines for the management of medullary thyroid carcinoma (2015))
患者向け説明資料

疾患のポイント:
<多発性内分泌腫瘍症>
  1. 的確に診断するためには、個々の内分泌疾患から疑わしい症例を適切に絞り込むことが重要である。
  1. 診断目的の遺伝学的検査が保険収載されており、遅滞なく検査を実施することが早期診断につながる。
  1. ひとりの診断が無症状もしくは未発症の血縁者の早期診断、早期治療につながる。
  1. 遺伝医療部門との密接な連携のもとでの診療が患者・家族のベネフィットになる。

概要・推奨   

MEN1:
  1. 腫瘍抑制遺伝子MEN1 の病的バリアント(変異)を原因とする常染色体顕性遺伝(優性遺伝)性疾患である。
  1. 複数の内分泌腫瘍、非内分泌腫瘍が同時性もしくは異時性に発生し、浸透率(生涯発症確率)は100%である。
  1. 個々の病変の若年発症、多発・再発、家族歴の存在が診断を疑う契機となる。
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  1. MEN1 の遺伝型と臨床型(臨床像)には明らかな相関はない。
  1. MEN1 に病的バリアントが見つからない場合でもMEN1は否定できない。
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  1. がん遺伝子RETの機能獲得型病的バリアントを原因とする常染色体顕性遺伝(優性遺伝)性疾患である。
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  1. 甲状腺髄様癌の約30%はMEN2であり、全例でRET 遺伝学的検査が推奨される。
  1. 臨床像はRET の遺伝型と強い相関がある。
  1. RET に病的バリアントが見つからない場合はMEN2を否定してよい。
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
櫻井晃洋 : 未申告[2024年]
監修:平田結喜緒 : 特に申告事項無し[2025年]

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