今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 宇都宮雅子 グランてらす小平団地クリニック/多摩総合医療センター

監修: 岸本暢将 杏林大学医学部 腎臓・リウマチ膠原病内科

著者校正/監修レビュー済:2024/03/06
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行った。用語を更新し、ドレナージにおける整形外科へのコンサルトのタイミングについて表現を改めた。

概要・推奨   

  1. 化膿性関節炎は、否定できるまで化膿性関節炎と考える(推奨度1)
  1. 化膿性関節炎の起因菌は、成人では黄色ブドウ球菌が最も多く、レンサ球菌がそれに続く。
  1. 化膿性関節炎のリスクファクター(高齢、糖尿病、RA、関節手術の既往、人工関節、皮膚感染症、HIV感染症、アルコール多飲、静注麻薬常習者、関節注射の既往)がある場合は特に鑑別の上位に考える(推奨度1)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 化膿性関節炎は無治療の場合、数日間で関節破壊を来し機能障害も起こし得る、内科的準緊急疾患である。
  1. 単関節炎あるいは少関節炎をみた際、化膿性関節炎も鑑別に挙げ、十分な評価/除外を行うことが不可欠である。
  1. 関節液検査は診断の鍵であるため、可能な限り施行する。
  1. 化膿性関節炎が関節リウマチ(RA)やピロリン酸カルシウム結晶性関節炎(偽痛風)と合併することもあり得るため、1つの診断がついても安心しない。
 
  1. 化膿性関節炎の起因菌は、成人では黄色ブドウ球菌が最も多く、レンサ球菌がそれに続く。
  1. その他、外傷や麻薬常習者、新生児、高齢者、免疫不全状態ではグラム陰性桿菌もみられる。
問診・診察のポイント  
  1. 単関節炎あるいは少関節炎をみた際、また特に疼痛や腫脹・発赤など炎症所見の強い場合は化膿性関節炎の可能性について必ず検討する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
宇都宮雅子 : 未申告[2024年]
監修:岸本暢将 : 講演料(中外製薬(株),ブリストル・マイヤーズスクイブ(株),AbbVie合同会社,田辺三菱製薬(株),エーザイ(株),ノボノルディスクファーマ(株),日本イーライリリー(株),第一三共(株),ヤンセンファーマ(株),あゆみ製薬(株),ユーシービージャパン(株),旭化成ファーマ(株))[2024年]

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化膿性関節炎

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