今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 玉城裕行 奈良県立医科大学 腎臓内科学

著者: 鶴屋和彦 奈良県立医科大学 腎臓内科学

監修: 岡田浩一 埼玉医科大学 腎臓内科

著者校正済:2025/06/10
現在監修レビュー中
参考ガイドライン:
  1. KDIGO:KDIGO 2021 Clinical Practice Guideline for the Management of Glomerular Diseases
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、『KDIGO 2021 Clinical Practice Guideline for the Management of Glomerular Disease』を参考に加筆・修正を行った。主な改訂は以下となる。
  1. 近年増加傾向にあるブドウ球菌関連糸球体腎炎とIgA優位沈着性感染関連糸球体腎炎について加筆修正を行った。
  1. 感染性心内膜炎に関連した腎炎やシャント腎炎に関する知見の加筆修正を行った。

概要・推奨   

  1. 従来、急性糸球体腎炎の先行感染の大多数は溶連菌であり、多くの症例で腎炎発症時にすでに溶連菌感染が治癒しているため、溶連菌感染後急性糸球体腎炎と呼称されてきた。
  1. 近年、腎炎発症時に感染が終息することなく進行中であることが多いため、より広く感染関連糸球体腎炎と総称されるようになった。
  1. 細菌による感染関連糸球体腎炎としては主に溶連菌感染後急性糸球体腎炎、シャント腎炎、感染性心内膜炎による腎炎、IgA優位沈着性感染関連糸球体腎炎がある。
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  1. C3変換酵素の構成因子であるFactor Bに対する自己抗体が一過性に存在することにより、補体の代替経路が活性化される[1]
  1. 溶連菌感染後急性糸球体腎炎の急性期治療は、適切な血圧管理と体液管理が望ましい(推奨度1、OG)。重篤な腎機能障害を来した場合の免疫抑制療法については、効果が証明されていないため、使用の際にはリスクとベネフィットを比較検討する[2]
  1. 治療の基本は対症療法になるが、6カ月以上1 g/日以上の尿蛋白が持続する例は予後不良で、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬やアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)を投与する(推奨度1、OG)。また、広範囲に半月体が認められ、急速進行性糸球体腎炎の経過を呈する場合、ステロイドパルス療法を考慮する(推奨度2、OG)[3]

病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 急性腎炎(acute glomerulonephritis:AGN)は、WHO臨床症候分類で、「先行感染後、比較的急な経過で発症し、血尿、蛋白尿とともに、浮腫、乏尿、高血圧、糸球体濾過量の減少を認める疾患」と定義されている。ただし、先行感染が明白でない場合でも同様の症状を呈すれば、急性腎炎と診断される。
  1. かつては、感染を契機に急性発症する糸球体腎炎の80~90%が、A群β溶連菌による扁桃炎もしくは皮膚感染症を原因とする溶連菌感染後急性糸球体腎炎(acute post-streptococcal glomerulonephritis:APSGN)であったが、近年は、小児に多く認められる予後良好なAPSGN例が減少し、高齢者において溶連菌以外の感染症を原因とする症例も多く認められるようになった。このような糸球体腎炎においては、腎炎発症時に感染症が終息せず進行中であることが多いため、「感染後」に代わり感染関連糸球体腎炎(infection‒related glomerulonephritis:IRGN)と総称されるようになった[4]
  1. 細菌によるIRGNとしてはAPSGNのほかに、シャント腎炎や感染性心内膜炎による腎炎、IgA優位沈着性IRGN(Immunoglobulin A dominant IRGN:IgA-IRGN)がある[2]
  1. IgA-IRGNの原因の多くは黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌の感染による糸球体腎炎(staphylococcus infection-associated glomerulonephritis:SAGN)である。APSGNと比較して予後不良であり、高齢者、特に糖尿病や悪性腫瘍などの合併症を有する患者は高リスクとされる。
  1. APSGNについては、先進国での発症は減少傾向にあるが、発展途上国、特に熱帯・亜熱帯地域での発症は減少していない。
 
  1. 溶連菌感染後急性糸球体腎炎は、社会環境と発症リスクが関連しており、近年、先進国では発症数が低下してきている。
  1. かつては、溶連菌感染後急性糸球体腎炎が小児腎炎の多くを占めていたが、先進国では発症数が減少しつつある[5]。全世界での発症数は年間47万人であり、人口10万人当たり9.5~28.5人/年に相当する[6][7]。その97%は発展途上国での発症である。この傾向は、急性腎炎のみならず、溶連菌による咽頭炎、リウマチ熱の発症数にも同様に認める。したがって、発症に衛生環境や栄養状況などの社会的な因子が大きく関与していると考えられる。
 
  1. IgA-IRGNは、高齢化やMRSA感染症の増加に伴い増加傾向である。
  1. IgA-IRGNは成人発症が多く、海外からの報告では平均58歳程度での発症とされているが、わが国で行われたコホート研究では、平均51歳程度とやや年齢層が低くなっている[8][9]。起因菌の多くは黄色ブドウ球菌であり、約50%がMRSA、40%がMSSAを起因菌とすると報告されている[10]。頻度は少ないが、黄色ブドウ球菌以外では表皮ブドウ球菌、溶連菌、肺炎桿菌、大腸菌感染を伴ったIgA-IRGNの症例が報告されている。感染部位は皮膚が多いが、心内膜炎、深部膿瘍、肺炎、骨髄炎などさまざまである。
 
  1. シャント腎炎は2000年以降の報告数は減少しており、原因としては心房脳室(atrial ventricle:VA)シャントの感染によるものが大半である。
  1. 弱毒菌による長期のシャント感染が原因と考えられている。心房脳室(atrial ventricle:VA)シャント感染の発生率が約12%で、シャント腎炎の発生が0.7~2.3%と報告されたが[11]、より近年の報告では、シャント感染7.1%、シャント腎炎の発生率が0.4%となっており[12]、近年ではまれな腎炎となった。シャント設置から腎炎発症までの平均報告期間は5.8年とされているが、30年以上という長期の経過での報告も存在する[13]。原因菌としては弱毒なコアグラーゼ陰性ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌が70%を占める。
 
  1. 感染性心内膜炎に関連した糸球体腎炎の発生率は22%~78%であり、最も多い原因菌は黄色ブドウ球菌である。
  1. 感染性心内膜炎に関連した糸球体腎炎の発症平均年齢は48歳、発生率は22%~78%であり、急性腎障害を呈することが多い[14]。原因菌は黄色ブドウ球菌が53%、連鎖球菌が23%を占める。最もリスクが高いのは静注薬物使用者である[14]
 
問診・診察のポイント  
  1. 数週間以内の先行感染の有無を確認する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
鶴屋和彦 : 未申告[2024年]
監修:岡田浩一 : 講演料(アステラス製薬(株),協和キリン(株),第一三共(株),アストラゼネカ(株),日本ベーリンガーインゲルハイム(株),小野薬品工業(株),ファイザー(株),田辺三菱製薬(株),鳥居薬品(株)),研究費・助成金など(バイエル薬品(株),中外製薬(株))[2025年]

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