今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 野川茂 東海大学医学部付属八王子病院脳神経内科

監修: 高橋裕秀 昭和大学藤が丘病院 脳神経内科

著者校正/監修レビュー済:2025/03/12
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、下記の点を加筆・修正した。
  1. MIBG心筋シンチグラフィの注意点を追加
  1. 振戦、wearing off、diphasicジスキネジア、消化管運動障害の治療を調整
  1. 症例を追加

概要・推奨   

  1. 従来重視されてきた運動症状はパーキンソン病(Parkinson’s Disease; PDの多彩な症状のうちの一部であり、非運動症状を含めた総合的な疾患の理解が重要である(推奨度2)
  1. ドパミンアゴニストで治療を開始したほうが、L-ドパで開始したときよりも運動合併症の生じる頻度が少なくなる(推奨度1)
  1. 突発的睡眠による事故の観点から、ドパミンアゴニストを使用している場合には、自動車運転、機械の操作、高所作業などの危険を伴う作業に従事させないように注意する必要がある(推奨度2)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. パーキンソン病(Parkinson’s Disease; PD)は、病理学的に中脳黒質のドパミン産生神経細胞の減少とレビー小体の蓄積を特徴とする運動障害疾患である。
 
PD患者の中脳断面

病理マクロ写真:健常人(右)に比し、PD患者(左)では、中脳黒質の色素沈着が減弱している(矢印)。

出典

(厚東篤生先生のご厚意による)
 
中脳神経細胞内のレビー小体(矢印)

病理ミクロ写真:拡大組織切片では、細胞内にエオジン好性を示すレビー小体(矢印)が認められる。

出典

(厚東篤生先生のご厚意による)
 
  1. その有病率は人口10万人当たり180人と、神経変性疾患のなかではアルツハイマー型認知症に次いで多く、すべての診療科で遭遇し得る疾患である。また、高齢者ほど有病率が高いため、今後人口の高齢化とともに増加する可能性がある。
  1. 安静時振戦、無動・寡動、筋強剛、姿勢反射障害などの運動症状だけでなく、自律神経症状、感覚症状、精神症状などの多彩な非運動症状を呈する。
  1. 運動症状として安静時振戦、無動・寡動、筋強剛のほか、進行期では姿勢反射障害がみられる。
  1. また、最近では精神・認知症状、自律神経症状、感覚症状、睡眠症状などの非運動症状が注目されている。
  1. 精神・認知症状としては、幻覚・妄想、アンヘドニア、アパシー、うつ、認知症、衝動制御障害などがある。
  1. 自律神経症状としては、起立性低血圧、便秘、過活動膀胱、性機能障害などがある。
  1. 夜間症状として、中途覚醒のほか、レストレスレッグス症候群、REM睡眠行動異常症(RBD)などを呈することがある。
  1. 非運動症状はprodromal PDのマーカーとして重要であるが[1]、非運動症状の出現と病理学的病期進行の対応も検討されつつある[2]
  1. 抗PD薬に対する反応は良好で、少なくとも病初期では健常人と同様の生活が送れる。
  1. PDは、厚生労働省の指定難病であり、Hoehn & Yahrで重症度3度以上かつ生活機能障害度2以上の場合、申請し認定されると、保険料の自己負担分の一部が公費負担として助成される可能性がある(自己負担上限額指定あり)。([平成27年1月施行])
  1.  難病法に基づく医療費助成制度 
 
  1. 従来重視されてきた運動症状はPDの多彩な症状のうちの一部であり、非運動症状を含めた総合的な疾患の理解が重要である(推奨度2、エビデンスレベルO
  1. PDの症状は多様な病理学的・生化学的変化を反映して多彩であり、Parkinson's complexとして理解し直す必要がある[3]
  1. 非運動症状はQOLの面から重要であり、現在では多面的な治療が可能となっている[4]。また最近、後述のように、PD症状の新たな包括的評価スケールが開発されており、臨床上有用である。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
野川茂 : 講演料(武田薬品工業(株))[2025年]
監修:高橋裕秀 : 特に申告事項無し[2025年]

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パーキンソン病

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