高カリウム血症 :トップ    
監修: 花房規男 東京女子医科大学 血液浄化療法科
内田俊也1) 高市憲明2) 1)帝京大学医学部付属病院 2)国家公務員共済組合連合会虎の門病院

概要

検査・所見のポイント:
  1. 高カリウム血症とは、血清カリウム濃度が測定施設基準値上限(通常5 mEq/L)を超える場合を指す。日常血液検査で発見されることが多く、特に6.5 mEq/L以上では、重篤な不整脈を引き起こし致死的となり得る病態である。
  1. 生体内のカリウムのほとんどは細胞内に存在する。
  1. 血清カリウム濃度は、主としてカリウムの摂取と排泄で決定される。細胞内外のカリウムの移動も影響するが、長時間にわたることはない。
  1. 体液の組成:<図表>
  1. カリウムの排泄機構が正常であれば、単にカリウム摂取が多いのみで高カリウム血症となることはまれである。したがって、高カリウム血症をみた場合は、カリウム排泄の低下や細胞内カリウムが細胞外へと移動するような病態を考える。特に、腎からのカリウムの排泄障害が根底となることが多い。
  1. また、体内のカリウム蓄積量と血清カリウムの関係は直線的ではなく、ある一定以上のカリウムの体内蓄積は、血清カリウム濃度を急峻に増加させる。したがって、低カリウム血症の治療時にカリウム補給をしている場合などでは、体内カリウムが十分に補給された後は血清カリウムが急速に上昇して異常な高カリウム血症になることがある。またアルカローシスと低カリウム血症が共存する病態は多いが、アルカローシスの是正によってもカリウムが細胞内から細胞外に移動するためカリウムの是正速度が想定より速くなることがあり注意が必要である。
  1. 体内カリウムの蓄積と血漿カリウム濃度の関係:<図表>
  1. 糸球体で濾過されたKは、マクラデンサまでの尿細管でその9割が再吸収された後、皮質集合管で分泌される。したがって、皮質集合管におけるK分泌により最終排泄量が決定される。影響する因子としてNa到達量・再吸収量、管腔内の尿流速、管腔内の陰イオンの存在、アルドステロンなどがある。 解説 

検査適応: >詳細情報 
  1. 血清K値は、外来診察でのルーチン検査として調べられることが多いが、倦怠感、筋力低下、食欲減退、多尿などを訴える患者では測定する必要がある。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

高カリウム血症の重症度を検討するための検査
  1. 高カリウム血症の最も重篤な合併症は不整脈である。
  1. 心電図にて、特に不整脈の有無、T波の高さを確認する。
○高カリウム血症を認める場合、緊急症の判断のため、全例に1)を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

高カリウム血症の鑑別のアルゴリズム
体液の組成
体内カリウムと血漿カリウム濃度の関係
カリウムを多く含む食品
皮質部集合管におけるK分泌機構
著者校正/監修レビュー済
2017/12/25

編集部編集コンテンツ:
 
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