本態性振戦 :トップ    
監修: 高橋裕秀 みどり野リハビリテーション病院
高橋一司 埼玉医科大学 神経内科

概要

疾患のポイント:
  1. 本態性振戦は、「原因が特定できない」(本態性)、「ふるえ」(振戦)を指し、本来病態を示すにとどまる用語であるが、臨床現場では「診断名」として使用され、振戦を来す疾患として最も多い。
 
診断: >詳細情報 
  1. 診断基準を基に診断する。Consensus Statement of the Movement Disorder Society on Tremorの本態性振戦の診断基準を、以下に記す。
  1. 診断基準
  1. 振戦:両側性の手と前腕に起きる、姿勢時または運動時振戦である。
  1. 肉眼的に観察でき持続的である。
  1. 除外基準
  1. ジストニアを含む、他の神経所見を認める場合。
  1. 生理的振戦を増強させる原因(甲状腺機能亢進症など)が認められる場合。
  1. 心因性を示唆する既往や原因がある場合。
  1. 突然発症,または階段状の症状悪化がある場合。
  1. 起立性振戦である場合。
  1. 単独の音声振戦である場合。
  1. 単独の姿勢性または、仕事性振戦である場合。
  1. 単独の舌、あご先の振戦である場合。
 
振戦の鑑別:
  1. 生理的振戦、パーキンソン病に伴う静止時振戦、パーキンソン症候群、ホルムズ振戦(Holmes’ tremor)、小脳振戦、中毒性振戦、心因性振戦、羽ばたき振戦、書痙、ミオクローヌス等が振戦の鑑別となる。(それぞれの特徴: >詳細情報 )
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. ふるえ以外に症状がなく、生活に支障がなければ経過観察のみで通常問題ないが、軽度ながらも日常生活で機能障害を訴える患者は60~73%に上るとの報告もある。
 
治療:  >詳細情報 
  1. ふるえ以外に症状がなく、生活に支障がなければ、未治療のまま経過観察とする。た…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初期治療
  1. 未治療のまま経過観察とした症例では、生活に支障を感じたとき、あるいはふるえ以外に症状が出現したときには、必ず再受診するよう指示する。初診例であれば、6カ月~1年後に振戦の程度に変化がないかどうか、その他の神経学的所見(殊に錐体外路症状)の出現がないかどうか確認することも勧められる。
  1. QOLの低下があれば、内服による対症療法を考慮する。
  1. 本態性振戦の治療アルゴリズムアルゴリズム
  1. わが国で本態性振戦の治療薬として保険適用があるのは、アロチノロールアロチノロール塩酸塩のみである。したがって、保険診療に基づく第1選択薬として、まずはアロチノロールの内服が推奨される。
  1. アロチノロールの内服効果が不十分な場合は、海外の治療ガイドラインからプロプラノロールインデラルプリミドンプリミドンの投与が強く推奨される。
○  上記の記述に基づき、下記の処方1)から始め、効果不十分な場合は2)への変更、または3)の併用( 1)+3)2)+3) )を検討する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

本態性振戦の治療アルゴリズム
著者校正/監修レビュー済
2017/07/31


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