補助人工心臓 :トップ    
監修: 永井良三 自治医科大学
絹川弘一郎 富山大学

概要

ポイント:
  1. 心臓の左室や右室のポンプ機能を代行する装置を補助人工心臓(VAD)という。VADの開発は1960年代に始まるが、1980年以後、心臓移植の普及とともに心臓移植へのブリッジ使用(BTT)が普及した。
  1. 米国では、当初は、手術侵襲からの自己心機能の回復“bridge to recovery(BTR)”を目的としたものであったが、心臓移植の普及とともに補助人工心臓のブリッジ使用(bridge to transplantation、BTT)が普及している。また、内科治療抵抗性の心不全に陥った心臓移植適応除外症例に対してもdestination therapy(DT)として用いられるようになった。 解説 
  1. 日本の東北CHART研究でも心不全と診断された人々の5年生存率は約70%で、心不全の予後は進行癌と同じくらい不良である。
  1. 日本では2011年4月にEVAHEART、DuraHeartが正式に保険償還され、毎月10例程度の植込型LVADが全国で植え込まれている。2013年4月に世界で最も普及しているHeartMateⅡも保険償還され、最初の3カ月で23例の植込み手術が実施された。手術死亡例は報告されておらず、90%以上の1~3年生存率が示されている。
  1. HeartMate Ⅱ DT Trial Actuarial Survival(as treated):<図表>
 
適応 :
  1. 図に補助人工心臓治療アルゴリズムを示す。アルゴリズム
  1. 下表に補助人工心臓治療関連学会協議会が定めた「植込型補助人工心臓」実施基準を挙げるが、基本的には心機能を除いては不可逆的な多臓器不全に陥っていない心臓移植適応基準に準じた末期的重症心不全症例で、「他の治療では延命が望めず、また著しくQOLが障害された患者で、治療に参加することで高いQOLが得られ、長期在宅治療が行え、社会復帰が期待できる患者」と規定している。
  1. 「植込型補助人工心臓」実施基準:<図表>
  1. 心臓移植レシピエントの適応:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
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※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

補助人工心臓治療のアルゴリズム
「植込型補助人工心臓」実施基準
HeartMate Ⅱ destination study における術後合併症
HeartMate Ⅱ、DuraHeart、EVAHEARTの比較
「植込型補助人工心臓」実施基準(案)[4. 在宅治療安全管理基準]
「植込型補助人工心臓」実施基準(案)[4. 在宅治療安全管理基準](参考資料1)在宅治療安全管理基準の遵守に必要な体制のまとめ
「植込型補助人工心臓」実施基準(案)[4. 在宅治療安全管理基準](参考資料2)在宅経過観察基準の例
心臓移植レシピエントの適応
VADの実例
著者校正/監修レビュー済
2016/08/05


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