経皮的心肺補助の概要・適応 :トップ    
監修: 永井良三 自治医科大学
絹川弘一郎 富山大学

概要

機械的補助循環:
  1. 「心不全に対して、一次的に心臓のポンプ機能を補助・代行し、心臓のポンプ失調の回復を待つ方法」を循環補助という。
  1. 循環補助の第1選択は薬物療法であるが、心原性ショックを含む重症心不全が薬物治療抵抗性となった場合には、機械的補助循環(assisted circulation)が必要となる。
  1. 機械的補助循環法の中には、圧補助法であるIABP(Intra-aortic balloon pumping)と流量補助法である静-動脈バイパス(veno-arterial bypass、VAB)や補助人工心臓(ventricular assist system、VAS)、完全置換型人工心臓(total artificial heart、TAH)などがある。
  1. 機械的補助循環を心原性ショック症例に対して行った場合の治療成績は、補助開始前の状態で大きく異なる。院外心肺停止例におけるPCPS補助の生存率は14~40%であり、多くの報告は20%程度である。
 
経皮的心肺補助:
  1. 経皮的心肺補助(Percutaneous Cardio-Pulmonary Support、PCPS)はVABを経皮的カニュレーションにより行うシステムであり、機械的補助循環を簡便かつ迅速に実施できるシステムであり、循環補助のみではなく呼吸補助が可能である。
 
ECMO:
  1. 比較的心機能が保たれていて呼吸不全のみが高度な症例に対する機械的補助循環法をECMO(Extra-Corporeal Membrane Oxygenation)と呼称する。
  1. 「重症呼吸不全に対して膜型肺を用いた体外循環により一時的に呼吸補助を行い、機能障害に陥った生体肺機能の回復を待つ方法」と定義される。
  1. ECMOは循環不全を伴った場合はVAB方式が採用されるが、心不全を合併しない純粋の呼吸不全に対しては静・静脈バイパス(VV bypass)方式が採用されることもある。
 
臨床のポイント:
  1. 心臓のポンプ失調に対しIABP、PCPSが、また呼吸不全が高度のときECMOが行われる。最近はImpella™ 、TandemHeart™なども欧米では使用可能である。

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(詳細はこちらを参照)

各種補助循環治療の創成期と経皮的補助循環の歴史
PCPSの適応、禁忌
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PCPSの適応
日本におけるPCPS治療症例数(2008-2010)
PCPS治療成績の推移
Maquet社製Cardiohelp
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急性心不全患者における機械的補助循環装置の選択と治療体系
著者校正/監修レビュー済
2016/05/27