フォンウィルブランド病 :トップ    
監修: 木崎昌弘 埼玉医科大学総合医療センター
嶋緑倫 奈良県立医科大学 小児科

概要

疾患のポイント: >詳細情報 
  1. フォンウィルブランド病(VWD)は、von Willebrand因子(VWF)の質的、量的異常による先天性の出血性疾患である。VWFは止血機構の初期に血小板粘着や凝集に関係するので、VWDではAPTT延長とともに出血時間も延長する。確定診断にはVWFの活性および抗原(VWF:Ag)を測定する。治療は第Ⅷ因子/von Willebrand因子複合体製剤による補充療法と、内因性VWFの増量を図る酢酸デスモプレシン(DDAVP)投与療法に分かれる。
  1. von Willebrand因子(VWF)は巨大かつmultimericなglycoproteinであり、生体では血漿、血小板α顆粒、内皮細胞weibel-palade body、内皮下結合組織に存在する。
  1. VWFの止血における役割は、①血小板の内皮下結合組織への粘着を介する一次止血機能、②凝固第Ⅷ因子へ結合してこれを安定化することによる内因系凝固因子としての機能――の2つに分けられる。①では、VWFが内皮下結合組織に固定されると血小板がVWFに粘着できるようになるが、この結合は血小板GPIbを介する。<図表>
  1. フォンウィルブランド病(VWD)は、先天性出血性疾患のなかでは血友病に次いで多い疾患であり、いわゆる無症状、または軽症状の患者でAPTT延長を契機に診断される機会は、むしろ血友病より多いと思われる。
  1. 鼻出血が高頻度であることに留意すべきである。特に止血に長時間を要する、ティッシュペーパーを1箱以上使用した、などの特徴的な病歴は参考になる。
 
診断:アルゴリズム アルゴリズム  >詳細情報 
  1. 所見として、APTTの延長、FⅧ: Cの低下がある。VWFの低下をみとめる。VWF の測定法には、GPIb結合活性を測定するVWFリストセチンコファクター活性(VWF: RCo)と免疫学的方法(ELISAなど)による抗原量(VWF: Ag)があり、双方低下する。ただし、Type 2A、2BではVWF: Agの低下はVWF: RCoに比し軽度である。
 
重症度・予後: >…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための検査例
  1. フォンウィルブランド病の患者では、所見として、APTTの延長、FⅧ: Cの低下、VWFの低下を認める
○ 下記の検査を考慮する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

フォンウィルブランド病の診断フローチャート(1)
フォンウィルブランド病の診断フローチャート(2)
VWFによる血小板粘着のメカニズム
著者校正/監修レビュー済
2016/05/27