原発不明癌 :トップ    
監修: 田村研治 国立がん研究センター中央病院
米盛勧 国立がん研究センター中央病院

概要

疾患のポイント:
  1. 原発不明癌とは、転移巣が先に発見され、転移のもととなった臓器が不明である癌のことである。
  1. 臨床的に十分な全身検索を行っても原発巣が特定されず、かつ悪性腫瘍が確定診断されている病態と定義される。
  1. 原発巣が自然に消退しているか微小で特定できない、疾患が進行し特定できないなどの状況が推測されている。実際は、さまざまな悪性腫瘍が混在している不均一な疾患グループと考えられている。
 
緊急対応:
  1. 腫瘍に伴う脊髄圧迫症候群(麻痺・膀胱直腸障害・感覚異常など)・高カルシウム血症(脱水・口渇・腎障害・意識障害など)・びまん性汎凝固症候群(DIC)・上大静脈症候群・腎後性腎不全などのoncologic emergencyといわれる病態であれば、原発の有無にかかわらず緊急対応が必要な事態である。
 
診断:アルゴリズム  >詳細情報 
  1. 症状のある部位に関連した原発巣の精査、網羅的な全身の原発巣の精査・組織診断を行い、明らかな原発が特定できなかった場合は、原発不明癌との診断に至る。病理診断を実施する。 エビデンス   エビデンス 
  1. 一般的には、全身の診察、耳鼻咽喉科診察、泌尿器科診察、婦人科診察(女性)、胸部・腹部CT、マンモグラフィー、上部下部内視鏡検査、尿細胞診、骨シンチによる評価を行う。
  1. また、病変の部位・広がり・組織診断をもとに診察、他のmodalityの検査等を追加することもある。
 
予後: >詳細情報 
  1. 原発不明癌においては、favorable subsetか、unfavorable subsetかにより治療予後が異なる。Favorable subsetとは、特定の癌に準じた治療を行うことで予後が良いことが知られているグループである。Favorable subsetは、サブグループごとに特定の癌の治療に準じて初回治療を行っていくため、サブグループごとに予後は異なる。
  1. Favorable subset以外での薬物療法の第2相試験における生存期間中央値は約5~13カ月である。 エビデンス 

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

評価例
  1. 原発不明癌の発見に必要な診察と検査をする。並行して生検(組織採取)を行い、癌診断を確定する。
  1. 原発不明癌の診断:アルゴリズム
  1. 病理診断で原発が推定されることがある。疑われる臓器の検査を組み込む。
  1. 症状などから原発が疑わしい場合は、その癌を想定した検査を優先させてよい。この過程で、治療(化学療法)実施に関するリスクも評価する。
  1. 治療方針はfavorable subsetか、そうでないかにより異なる。
  1. 原発不明癌の治療:アルゴリズム
○ 年齢、病態、症状、発見部位に応じて下記の検査を考慮する。

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薬剤監修について:
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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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原発不明癌の診断
原発不明癌の治療
著者校正/監修レビュー済
2016/06/30