正常圧水頭症 :トップ    
監修: 高橋裕秀 みどり野リハビリテーション病院
厚見秀樹 東海大学医学部外科学系

概要

疾患のポイント:
  1. 正常圧水頭症とは、脳脊髄液の正常な運動が何らかの理由により慢性的に障害され、歩行障害、認知症、失禁などの症状を呈する疾患である。
 
診断: >詳細情報 
  1. ポイント:
  1. 特徴的な症状を呈する患者で疑い、画像検査や脳脊髄液排除試験を行い、また、鑑別疾患を除外することで診断となる。
  1. 特発性正常圧水頭症診断のためのフローチャート:アルゴリズム
  1. 症状の特徴
  1. 正常圧水頭症の症状として、歩行は不安定で、歩幅の減少(petit-pas gait)、すり足歩行(magnet gait)、歩隔の拡大(broad-based gait)が特徴である。パーキンソン病で認められる外的キューの効果(顕著なすくみ足の際に床上の物をまたがせるとすくみ足が改善する)は少ない[1]。
  1. 画像検査:
  1. 脳室の形状、サイズの評価、脳脊髄液腔の閉塞の原因になる疾患の除外をする目的でCT、MRI検査が行われる。脳室拡大の指標の1つであるEvans比0.3以上を拡大ありと判断することが多い(Evans比:両側側脳室前角間最大幅/その部位における頭蓋内内腔幅)。
  1. 髄液検査:
  1. 腰椎穿刺による頭蓋内圧測定では、初圧200mmH2Oを上限とする程度である。 >詳細情報 
  1. 脳脊髄液排除試験:
  1. 画像診断のみで正常圧水頭症を確定診断することは難しく、補助診断として、脳脊髄液排除試験(CSF tap test)を用いる。脳脊髄液排除試験(CSF tap test)は、専門医療機関で行われる補助診断法で、腰椎穿刺を行い、頭蓋内圧を測定後、20〜30mL程度の脳脊髄液を一時的に排除するテストである。臨床症状の改善が得られた場合は、水頭症の診断がより確実と考え、短絡管設置(シャント術)の適応と考えられている。
  1. 鑑別疾患:
  1. アルツハイマー型認知症
  1. 血管性認知症
  1. パーキンソン病
  1. パーキンソン症候群
  1. 慢性硬膜下血腫
 
原因:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時の検査例
  1. 歩行が不安定、活動性が低下し認知機能低下が疑われる、尿失禁を認める、などを主症状群とした症例に対して行う。
○ 診断には1)または2)が必須。必要に応じて3)4)を行う。

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リファレンス

img  1:  Idiopathic normal-pressure hydrocephalus. Results of shunting in 62 patients.
 
PMID 7359191  J Neurosurg. 1980 Mar;52(3):371-7. doi: 10.3171/jns.198・・・
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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特発性正常圧水頭症診断のためのフローチャート
著者校正/監修レビュー済
2017/07/31