脊髄小脳変性症 :トップ    
監修: 高橋裕秀 みどり野リハビリテーション病院
大貫優子 東海大学 基礎医学系

概要

疾患のポイント:
  1. 脊髄小脳変性症とは、運動失調を主な症状とし、小脳および脳幹から脊髄にかけての神経細胞が徐々に破壊、消失していき、原因が感染症、中毒、腫瘍、栄養素の欠乏、血管障害、自己免疫疾患などによらない神経疾患の総称である。
  1. 孤発性と遺伝性がある。<図表>
  1. 最も頻度が高いのは孤発性の約70%を占める 多系統萎縮症 で、小脳失調、パーキンソン症状、自律神経症状が中核症状となる。
  1. 遺伝性のなかでは、SCA3 (Machado-Joseph病)、SCA6の頻度が高く、次いでSCA31、DRPLAが多い。
  1. 脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く)は、厚生労働省選定の指定難病であり、その一部(modified Rankin Scale、食事・栄養、呼吸のそれぞれの評価スケールを用いて、いずれかが3以上)は申請し認定されると、指定医療機関における医療費の一部が公費負担として助成される ([平成27年1月施行]) 。多系統萎縮症と脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く)は別の申請用紙であることを注意すべきである。
  1.  難病法に基づく医療費助成制度 
 
診断: >詳細情報  アルゴリズム
  1. 家系内に同様の疾患罹患者がいる場合、診断は明確である。
  1. 頭部MRIにおいて、①小脳溝の開大 ②後頭蓋窩の体積と比し小脳の体積が小さい――という場合、小脳萎縮を判断しやすい。また、T2強調画像、FLAIR画像において早期に、橋に十字状の信号異常を認めた場合、多系統萎縮症の可能性が高い。孤発性脊髄小脳変性症のうち約70%が多系統萎縮症である。
  1. 指鼻指試験や膝踵試験、継ぎ足歩行(小脳失調)、起立性低血圧を確認する。
  1. 二次性運動失調の原因となる、アルコール、薬剤性(フェニトインなど)、ビタミン欠乏(ビタミンE、ビタミンB12)、多発性硬化症、血管障害、脳腫瘍、傍腫瘍症候群などを除外する。

重症度・予後: >詳細情報 
  1. 純粋小脳型か多系統が侵されるタイプかで、予後はまっ…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

脊髄小脳変性症診断時のMRI検査例
  1. 臨床診断の際には、MRIが不可欠である。横断像のほか、矢状断にて小脳と脳幹萎縮を判定することが有用である。
○ 病歴、既往歴、1)は必須である。

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薬剤監修について:
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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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成人発症緩徐進行性の運動失調に対する診断アルゴリズム
著者校正/監修レビュー済
2016/08/05