アスペルギローマ :トップ    
監修: 具芳明 国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンター
井本一也 済生会横浜市東部病院 総合内科

概要

疾患のポイント:
  1. アスペルギローマはアスペルギルス属による慢性疾患で、肺結核などによってできた空洞性病変にアスペルギルス属が腐生寄生している状態である。主に喀血、血痰の鑑別で指摘される場合、偶然の胸部X線で指摘される場合がある。
  1. 無症状で経過することが多いものの、ときに致死的な喀血を起こすことが知られている。
 
診断: アルゴリズム  >詳細情報 
  1. 臨床診断としては、X線上肺の空洞性病変内に菌球形成、空洞壁の肥厚があって、喀痰培養でアスペルギルス属が検出されるか血清学的にアスペルギルス抗原が陽性であることで診断される。
  1. 確定診断の方法は、上記の画像所見に追加して気管支洗浄液で菌糸、培養で確認するか、生検標本で微生物学的、病理学的に証明することである。

重症度・予後: >詳細情報 
  1. 程度の差はあれど約90%に喀血のエピソードを経験するという。
  1. 喀血がときに致命的になる。血痰、喀血がみられる例、画像上大きな血管につながっている例では致死的な喀血を懸念する。
 
治療:アルゴリズム  >詳細情報 
  1. 安定している症例については経過観察を続けることが必要である。内科的治療は有用でないことが多い。
  1. 喀血を起こしている、あるいは起こしそうな不安定な症例について外科的切除が根治療法となる。
  1. 外科的な切除ができない症例では、内科的治療としてイトラコナゾール内服、あるいはボリコナゾール内服が行われることもある。
 
専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. 気管支鏡他侵襲的な検査を行うとき、喀血で外科手技が必要な場合には呼吸器内科、呼吸器外科に相談する。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断、経過をフォローする検査例
  1. アスペルギローマを発見し、経過をフォローするのには胸部X線検査を行うことが必要である
  1. サイレントな慢性壊死性アスペルギルス症(CNA)への移行を把握する意味で定期的に経過フォローを行う。
○ 診断、経過フォローには胸部X線が有用である。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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アスペルギローマの診療フローチャート
アスペルギローマ1
アスペルギローマ2
著者校正/監修レビュー済
2017/01/26