胃食道逆流症(非びらん性胃食道逆流症、逆流性食道炎) :トップ    
監修: 木下芳一 島根大学医学部附属病院
藤原靖弘 大阪市立大学医学部附属病院消化器内科

概要

疾患のポイント:
  1. 胃食道逆流症(GERD)とは、胃酸などが、胃から食道に逆流することによって発生する食道の炎症性疾患である。逆流症状(胸やけ、呑酸など)を有するが食道粘膜傷害を認めない非びらん性胃食道逆流症(NERD)と、食道粘膜傷害を有する逆流性食道炎(逆流症状の有無は問わない)に分類される。
  1. 胃食道逆流症(GERD)の定義:<図表>
  1. 逆流性食道炎の頻度は内視鏡検査施行者の10~15%においてみられる。
  1. 逆流性食道炎は食道内の過剰な酸曝露により発症し、重症逆流性食道炎になるにしたがい食道内酸曝露時間は有意に増加する。
  1. 非びらん性胃食道逆流症の原因の約70%は食道粘膜の知覚過敏に基づく胃酸逆流である。その他、胃酸以外(pH4以上)の液体逆流、空気逆流、食道運動異常により、逆流症状を引き起こすこともある。プロトンポンプ阻害薬(PPI)抵抗性NERDの約45~55%の患者の症状は逆流との関連はない。
 
診断: >詳細情報 
  1. ポイント:
  1. 症状(胸やけ、呑酸)が胃酸逆流による症状であるかを疑う。
  1. 食後に発生する前胸部症状、過食時や早食い時に発生する前胸部症状、高脂肪食摂取時に起こる前胸部症状、急激な前屈姿勢、咳嗽時、締め付けた服装時に発生する前胸部症状、飲水・制酸薬による前胸部症状の改善、「げっぷ」がよくみられる患者の前胸部症状は胃酸逆流による症状である可能性が高い。
  1. 逆流性食道炎の診断:
  1. 内視鏡所見にて食道粘膜傷害(正常粘膜とは明瞭に区別される部位)が観察された場合は逆流性食道炎と診断される。(逆流性食道炎の内視鏡分類としては、Los Angeles改分類(LA改分類)が広く使用されている)
  1. 逆流性食道炎のLos Angeles改分類(LA改分類):<図表>
  1. 襞上の孤立性の粘膜傷害はgrade A(5mm未満)またはB(5mm以上)
  1. 襞上の粘膜傷害が連続する場合にはgrade C(75%未満)またはD(75%以上)
  1. 非びらん性胃食道逆流症の診断:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

胃食道逆流症の診断・食道粘膜傷害の評価のための検査
  1. 食道粘膜傷害を認めれば逆流性食道炎、逆流症状を有するにもかかわらず食道粘膜傷害を認めない場合にはNERDと診断される。
○ 胸やけや呑酸症状を有する例には、可能なら内視鏡検査を行う。

追加情報ページへのリンク

  • 胃食道逆流症(非びらん性胃食道逆流症、逆流性食道炎)に関する詳細情報
  • 胃食道逆流症(非びらん性胃食道逆流症、逆流性食道炎)に関する評価・治療例(詳細) (1件)
  • 胃食道逆流症(非びらん性胃食道逆流症、逆流性食道炎)に関するエビデンス・解説 (6件)
  • 胃食道逆流症(非びらん性胃食道逆流症、逆流性食道炎)に関する画像 (9件)
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

胃食道逆流症(GERD)の定義
逆流性食道炎のLos Angeles改分類(LA改分類)
LA分類、grade Aの内視鏡写真
LA分類、grade Bの内視鏡写真
LA分類、grade Dの内視鏡写真
LA分類、grade M(白濁)の内視鏡写真
LA分類、grade M(発赤)の内視鏡写真
健常者の食道下部内視鏡写真
LA分類、grade Cの内視鏡写真
著者校正/監修レビュー済
2017/03/31

編集履歴:
2017年3月21日 誤植修正
修正箇所:患者向け説明資料
呑酸(どくさん)
呑酸(どんさん)


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