今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 藤原靖弘 大阪市立大学医学部附属病院消化器内科

監修: 木下芳一 兵庫県立はりま姫路総合医療センター

著者校正済:2025/01/15
現在監修レビュー中
参考ガイドライン:
  1. 日本消化器病学会編:胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2021改訂第3版
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、食事・生活指導について加筆した。
  1. PPI治療と同時に食事・生活指導を行う。エビデンスが明らかであるのは、肥満の解消、睡眠時の頭側挙上・左側臥位、禁煙、遅い夕食の回避である(Fass R. N Engl J Med. 2022 Sep 29;387(13):1207-1216.)。

概要・推奨   

概要:
  1. 胃食道逆流症(GERD)は、逆流症状(胸やけ、呑酸など)を有するが食道粘膜傷害を認めない非びらん性胃食道逆流症(NERD)と食道粘膜傷害を有する逆流性食道炎(逆流症状の有無は問わない)に分類される()。
  1. GERD患者の約50~70%はNERDである。
  1. NERDの原因の約70%は食道粘膜の知覚過敏に基づく胃酸逆流であり、その他、胃酸以外(pH4以上)の液体逆流、空気逆流、食道運動異常により、逆流症状を引き起こすこともある。
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 胃食道逆流症(GERD)は、逆流症状(胸やけ、呑酸など)を有するが食道粘膜傷害を認めない非びらん性胃食道逆流症(NERD)と食道粘膜傷害を有する逆流性食道炎(逆流症状の有無は問わない)に分類される。
 
胸やけを呈する疾患の病態

出典

日本消化器病学会編:胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2021(改訂第3版)、p.16 図1、南江堂、2021年 より許諾を得て転載
  1. NERDには狭義のNERD(真のNERD)、逆流過敏性食道、機能性胸やけが含まれる。通常の診療では区別困難である。
 
  1. 逆流性食道炎の頻度は内視鏡検査施行者の10~15%においてみられる[1][2]
  1. GERD患者の約50~70%はNERDである[3]
  1. 逆流性食道炎は食道内の過剰な酸曝露により発症し、重症逆流性食道炎になるにしたがい食道内酸曝露時間は有意に増加する[4]
  1. NERDの原因の約70%は食道粘膜の知覚過敏に基づく胃酸逆流である[5]。その他、胃酸以外(pH4以上)の液体逆流、空気逆流、食道運動異常により、逆流症状を引き起こすこともある[6][7]。プロトンポンプ阻害薬(PPI)抵抗性NERDの約45~55%の患者の症状は逆流との関連はない[8]
  1. NERD患者のQOLは逆流性食道炎患者と同様に低下しており、そのレベルは十二指腸潰瘍急性期の患者と同様であり、かなり損なわれている[9]
問診・診察のポイント  
  1. 症状(胸やけ、呑酸)が胃酸逆流による症状であるかを疑う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
藤原靖弘 : 講演料(アステラス製薬(株),武田薬品工業(株))[2024年]
監修:木下芳一 : 講演料(アストラゼネカ(株),武田薬品工業(株),大塚製薬(株),ヴィアトリス製薬(株))[2024年]

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胃食道逆流症(非びらん性胃食道逆流症、逆流性食道炎)

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