抗癌剤による味覚障害に対する治療 :トップ    
監修: 佐治重衡 福島県立医科大学
藤山理恵 長崎大学 生体情報科学

概要

疾患のポイント:
  1. 味覚障害は癌治療(放射線療法・化学療法・併用)に共通する口腔内の合併症の1つであり、QOL低下につながる。
  1. 化学療法のみによる味覚障害の有病率は56%である。 エビデンス 
 
診断: >詳細情報 
  1. 診断では、患者の訴えだけを聞くのではなく味覚機能検査も行い、味覚障害の程度を評価することが推奨される。
  1. 血清亜鉛値を測定し、亜鉛欠乏の有無を確認する。
  1. 口腔乾燥が原因の味覚障害も高頻度にみられる(味覚障害全般では約50%に口腔乾燥がみられている)ため、味覚の細胞・神経レベルでの障害がない場合、サクソン・テストによる唾液分泌量の測定は有効である。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 抗癌剤による味覚障害の場合、治療終了後3~4週で味覚の改善が観察されることがある。
  1. 有害事象共通用語規準v4.0(CTCAE v4.0)では、下記の様に重症度分類されている。
  1. Grade1: 味覚の変化はあるが食生活は変わらない。
  1. Grade2: 食生活の変化を伴う味覚変化; 不快な味;味の消失
 
治療: >詳細情報 
  1. 原因は明確ではなくさまざまであるため一般に治療は困難である。亜鉛投与により味覚障害の改善がみられたとの報告があるが、効果がなかったとの報告もある。亜鉛剤投与の効果も限定的と考えられるが、重篤な副作用はないため広く試みられている。
  1. 味覚は温度感受性があることから口腔内を氷によって冷刺激をすることも試みる価値がある。 …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

治療例
  1. 原因は明確ではなくさまざまであるため一般に治療は困難である。亜鉛投与により味覚障害の改善がみられたとの報告があるが、効果がなかったとの報告もある。亜鉛剤投与の効果も限定的と考えられるが、重篤な副作用はないため広く試みられている。
  1. 味覚は温度感受性があることから口腔内を氷によって冷刺激をすることも試みる価値がある。 エビデンス 
  1. サクソンテストにより口腔乾燥症の診断がある場合 口腔乾燥改善薬を内服すること・唾液腺のマッサージを行うことは奨励される。 エビデンス  エビデンス 
○ 味覚障害に対し1)~4)を適宜試みる。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

著者校正/監修レビュー済
2016/07/21